2010年5月6日木曜日

2010年の国際会議

昨年はサーバートラブルのため出遅れましたので、今年は早めに立ち上げます。
今年開催される有機エレクトロニクス関連の国際会議をリストアップします。まだ少ないですが、随時追加します。
時々情報が更新されますので、ご注意下さい。

PD、ドクター学生だけでなく、マスターの人も是非発表を申し込んで参加しましょう!
もちろん発表する人には旅費の補助が出ます。

The 9th International Symposium on Functional π-Electron Systems (F-π-9)
2010/5/23-28 Atlanta, United States
アブストラクト締切:2/1 (終了)
レジストレーション締切:3/1

International Conference on Science and Technology of Synthetic Metals 2010 (ICSM2010)
2010/7/4-9 京都, Japan
アブストラクト締切:2/8 日本時間12:00(終了)
レジストレーション締切:6/4

International Conference on Organic Electronics (ICOE 2010)
2010/6/22-25 Paris, France
アブストラクト締切:2/28(終了)
レジストレーション締切:5/2

The Seventeenth International Workshop on Active-Matrix Flatpanel Displays and Devices (AM-FPD10)
2010/7/5-7 東京, Japan
アブストラクト締切:3/12 (終了)
レジストレーション締切:

The 6th International Symposium on Organic Molecular Electronics (ISOME2010)
2010/6/10-11 千葉, Japan
アブストラクト締切:3/31 (終了)
レジストレーション締切:3/31

2010 International Conference on Solid State Devices and Materials (SSDM 2010)
2010/9/22-24 東京, Japan
アブストラクト締切:5/21 <<締め切り延長!>>
レートニュース締切:7/26
プロシーディングス締切:?(JJAP)

2010 MRS Fall Meeting
2009/11/30-12/2 Boston, USA
アブストラクト締切:6/22

2011 MRS Spring Meeting
2011/4/25-4/29 San Francisco, USA
アブストラクト締切:11/??

2010年3月28日日曜日

Prof. Norbert Koch 来訪

書き込みの順序が前後しましたが、3月21日に、Humboldt-Universität zu Berlin の Prof. Dr. Norbert Koch が物理学会での招待講演のために来日したのに合わせて千葉大に立ち寄られました。Koch先生とは、Princeton大にいたころから、かれこれ10年近いつきあいです。
今回の滞在は、応用物理学会および物理学会にオーバーラップしていましたので、特に学内での行事はありませんでしたが、離日前夜、Koch先生と石井先生と私で、ディナーに出かけました。(写真は海鮮料理を食べるKoch先生)
今年こそ、是非ベルリンに立ち寄ってみたいと思います。

MN

2010年3月24日水曜日

里帰り

今日、日本表面科学会の会誌「表面科学」の編集委員会のために、東京工業大学附属科学技術高等学校の敷地内にあるキャンパス・イノベーションセンターに出かけました。
ここは、千葉大工学部関係者にとっては聖地でもありますが、工学部生の人たちにもあまり知られていないのではないでしょうか?

敷地の角にこんな碑が立っています。
東京高等工芸学校創設の地
   港区芝浦3丁目3番6号 東京工業大学付属科学技術高等学校内
東京高等工芸学校は、工業製品を美しく、かつ機能的に創造する技術を学ぶ高等教育機関として、大正10年12月この地に創設され、戦時下の昭和19年3月東京工業専門学校と改称されました。
常に日本の工芸産業教育の指導的地位にあり、また多くの留学生を教育するなど、工芸技術の発展に貢献し、その出身者は「芝浦の出身」という愛称で重用されました。
また、東京高等工芸学校は、わが国ラジオ放送発祥の地でもあります。大正14年3月には、その図書室から日本で最初のラジオ電波が送り出され、日本放送協会は当地に「放送記念碑」を建立しております。
しかし、昭和20年5月の空襲により、校舎、工場等が灰塵に帰したため、戦後同年10月、学校当局は当地での再建を断念し千葉県松戸市に移転、昭和24年の学制改革により新制大学の千葉大学工芸学部となりました。昭和26年、工学部と改組、昭和39年千葉市弥生町に移転しましたが、当地に根ざした「実利と美とを一体に」という建学の精神は、脈々と受け継がれています。
後方に見える青銅と黒御影石の碑は、当地にあった東京高等工芸学校(現千葉大学工学部)を記念し、工芸産業教育発祥の地として同窓生有志が建立したものです。
聖火を中心にマーキュリーの羽根をあしらい、それにハンマーと筆を組み合わせた校章をかたどっています。
平成17年10月       港区教育委員会


そう、約90年前に千葉大工学部のご先祖様が生まれた地なのです。

MN

2010年3月23日火曜日

3Dムービー

子供といっしょに3Dの映画を見てきました。
その名もスパイアニマルGフォース!実写+CGのディズニー映画です。
ストーリーについては触れませんが、ここでは3Dについて語ろうかと思います。

今、家電業界でも盛り上がっている3Dですが、そのドライビングフォースの一つがアメリカのコンテンツ産業ですね。アバターを初めとして、3Dを売りにした映画もどんどん増えています。
映画でもテレビでも、平面のスクリーンで立体視させるには右目用と左目用の視差をつけた2つの画像を用意します。
それを片目ずつで見せるやり方について、大きく分けて四種類の方法があるようです。
1.時間で分割する(アクティブシャッター方式)
2.波長で分割する(分光方式)
3.偏光で分割する(偏光フィルター方式)
4.幾何光学的に分割する(視差バリア方式)

1はXpanDで使われている方法で、右目用の画像と左目用の画像を高速で交互に切り替えます。画面とシンクロする仕組みを使って(映画館では赤外線で信号を送っているようです)、メガネに内蔵された回路で左右交互に液晶シャッターを開閉して切り替えます。映画館の設備投資が安く済むというメリットがあるそうです。今発売している3Dテレビも、すべてこの方式だと思います。

2はRealDで使われている方法で、右目用映像と左目用映像を右螺と左螺の円偏光で表示し、円偏光フィルターの付いたメガネで見る方法です。IMAX3Dという方式では、円偏光のかわりに直線偏光で分けているようです。
いずれも、メガネが安いので、使い捨てにしやすいというメリットがあります。

3は最も古典的な青と赤のセロファンを貼ったメガネを使うやつが有名ですが、今はもっと洗練されています。Dolby 3Dがこの方式で、可視光を連続的に使わず、比較的ピーク幅の狭いR、G、Bに分割して色を再現します。さらに、それぞれについて、右目用と左目用の波長を少しずらしておき、精密な干渉フィルターを使ったメガネで、片方の画像しか見えないようにするそうです。色再現性が良いのと、メガネを軽くできるのがメリットです。

4は映画では使われていません。シャープが特殊な用途のために開発したものです。小型ディスプレイ用の方式で、特定の距離で画面を見たときに、右目と左目で見える画素が異なるようになっています。

今日見た映画はDolby 3D方式だったのですが、思ったより顔の角度による影響はなく、見やすかったです。ただし、左右で微妙に色が違うので、それが不自然にならないような絵作りが必要だと思いました。
面白かったのは、このメガネを掛けると、白熱灯とLEDの区別が容易に付くことです。白熱灯のような連続スペクトルだと左右でほぼ同じ色に見えるのですが、LEDのようにスペクトルに特徴があると左右で色がかなり異なります。家庭で使うと気持ち悪いことになりそうですね。
アクティブシャッター方式で言われているような、長時間掛けていると重さが辛いということはなかったです。軽めのサングラス程度の重さでしたから。

では、3D映像に魅力を感じたかというと....
はっきりいって、不要だと感じました。あくまで個人的な感想ですが、見る側に制約を強いるというデメリットを超えるメリットはないと思います。

人間が空間的な広がりを知覚(奥行き知覚というそうです)する過程は結構複雑で、そもそも2次元的なセンサーである網膜で捕らえた画像に対して脳内でいろいろな処理を行うことで遠近を知覚します。
その元になっている情報はこんなにあるそうです:
a)調節−水晶体のピントによる情報。約2m以内の奥行きに用いられる。
b)輻輳−両目の眼球運動による情報。約6メートル以内の奥行きに用いられる。
c)両眼視差−異なる視点から生じる両眼網膜上の差異のこと。
d)大小遠近法−移動による大きさの変化など。
e)線遠近法−絵画のテクニックとして有名。直線が遠方で一点に収束するような絵。
f)大気遠近法−遠くのものが霞むことによるもの。
g)重なり合い−本来の全体像が重なっていることで隠れている物が遠くにあると判断。
h)陰影−下に影があると凸に見え、上に影があると凹に見えるなど。
i)きめの勾配−アスファルトの凹凸など「きめ」の密度が徐々に変化していることを遠近や勾配として知覚。

このうち、d)〜i)は従来の2D映像でも表現可能な情報です。特に映画やテレビでは、カメラを平行にあるいは円周上で移動させることによって、d)やg)を強調して奥行き感を出す方法もよく使われます。また、あえて被写界深度を浅くすることで、擬似的にa)を感じさせるというテクニックも使います。
3D映像ではこれにc)が加わりますが、まだa)やb)の情報は無いですから、特にこちらに飛び出すような映像のときに不自然さが残ります。また、こちらが頭を横に動かしてもあちらは反応してくれないのも不自然です。
より「リアル」に近くなるのに少し妙という感覚が生じるので気持ち悪さを感じる人もいるでしょう。
ヒューマノイドロボットなどでよく言われる「不気味の谷現象」ですね。

MN

追記:
元々自然な映像である必要の無いゲームなら、3Dを活かすソフト次第で魅力が増すと思います。ゲームなら、特に3Dでなくとも画面を正面から注視しますから、改めて姿勢を正して見るわけでもないですし。
ただし、せっかくオールリアルタイムCGの画面を3Dに変換するなら、テレビのような「受動的3D」ではなく、加速度センサ付きのヘッドマウントディスプレイで、頭の動きに画面が追随する「能動的3D」のほうが良いですね。

2010年2月23日火曜日

10春の応物学会

毎回恒例、当研究室関連の応物学会講演リストをまとめます。
参加する学生の皆さんは、ぜひ沢山の講演を聴いて新知識を吸収して下さい。

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中村雅一,工藤一浩:
(シンポジウム)
"大面積フレキシブルエレクトロニクスに向けた各種有機デバイスの開拓",
第57回応用物理学関係連合講演会(神奈川), p.???? (2010.3.17) 17p-ZK-4.

増田将太郎,高木英行,中村雅一,酒井正俊,工藤一浩:
"高次構造有機静電誘導トランジスタにおける通電劣化の抑制",
第57回応用物理学関係連合講演会(神奈川), p.???? (2010.3.19) 19a-ZM-16.

藤井孝博,松井弘之,長谷川達生,国吉繁一,酒井正俊,工藤一浩,中村雅一:
"in-situ電界効果熱刺激電流法を用いたペンタセンTFTにおける界面準位密度分
布評価",
第57回応用物理学関係連合講演会(神奈川), p.???? (2010.3.19) 19p-ZM-4.

酒井正俊,高原知樹,石黒雅人, 伊藤裕也,中村雅一,工藤一浩:
"有機モット絶縁体FETにおける電荷整列相の共存",
第57回応用物理学関係連合講演会(神奈川), p.???? (2010.3.20) 20a-ZM-4.

2010年2月17日水曜日

修論・卒論 おつかれさまでした

今年も卒論発表が終わり、修士修了生の人たちともども一段落しました。
皆さん、本当にお疲れ様でした。みなさん達成感を感じていることでしょう。

これも毎年恒例、卒研発表に対してスタッフ・院生投票によるベストプレゼンテーションアワードを決定しました。

今年は、町田君がアワードを受賞。いつになく「つぶぞろい」(こういう表現にしておきましょう)だったので、接戦でしたが、町田君の質問に負けない態度がプラスポイントだったのではないでしょうか?
これも、日頃から自分で調べて、自分で考えてきた結果だと思います。


おめでとうございます!


今年の賞品のテーマは「ウェアラブルエレクトロニクス」でした。

写真を見てもらうとわかりますが、TシャツにフレキシブルELによるスペアナ(のようなもの)が付いています。
周囲の音に合わせて、光るのです。
近年まれに見る賞品の当たり年でしたね。

MN

2010年2月16日火曜日

有機ELテレビ

今朝の新聞で、ソニーが有機ELテレビの国内販売を終了するというニュースが発表されていました。
有機ELテレビ、3月で日本撤退
このヘッドライン、少々センセーショナルに脚色していますね。海外では販売を続け、当然研究開発も続けるようです。
日本での販売を終了する理由として、
「昨年4月施行の有害サイト規制法に基づき、有害サイトの閲覧制限機能のないデジタル家電は今年4月以降出荷できなくなる。有機ELテレビには、その機能を付けていない」
と述べています。

一方で、ついにLGの有機ELテレビ(OLED TV)がアメリカでも販売されるようです。
当面、家電各社ともアメリカで始まった3Dブームに乗って儲けようと必死ですから、それが一段落してから本当の対決が始まるのでしょうね。
当のソニーも、先月のCESで24型3D有機ELディスプレイを展示しています。

それにしても、一般消費者が家庭で3D見るのかな?

MN

2010年2月15日月曜日

将来の夢はありますか?

2月14日の朝日新聞に川上未映子さんのインタビュー記事が掲載されていました。
川上未映子さんってのは、高校はデザイン科で、シンガーとしてプロデビューし、突如として詩を出したかと思うと小説家として芥川賞を取ったマルチな人です。それに飽きたらず、最近キネマ旬報新人女優賞も受賞しています。
記事のテーマを端的に表す彼女の語りを二カ所引用させてもらいます。
「子供のころから今まで、こういう人になりたいとか、何になりたいとか、まったくなかったです」
「(前略)自分が特別でもなんでもない、ただの労働力としての存在にすぎないということを知らされます。そこから、自分ができることはなにか、ということが立ち上がってくるのではないでしょうか」

まったくもって同感なので、さらには、ちょうど修士院生の人たちが就職活動をしている最中でもあるので、自分の過去を晒しながら「将来」なんてものは結構そんなもんだということを書いて見ようと思いました。このブログでは自分自身のことはなるべく書かないようにしているんですけど、今回は例外。

いきなり結論めいた文から入りますが、どうも幼少時まで遡ってみると、私もずっと「おくりだすひと」になりたかったらしい。
でも、川上さんとは才能の居場所が(量も?)違ったようで...まあ、紆余曲折をほとんど全部書いてみます。

そろそろ色気づいてくる小学校の高学年ごろ、やや大人向けの小説などに興味を持ち出すと同時に、友人に影響されて、SF系ではありますが短編小説やショートショートを書くのにハマりました。ごく短期間マンガも書いてみたけど、これは、自分には壊滅的に絵心が無いことを思い知らされただけですぐ退散しました。小説のほうも、小ネタは良いのですが、残念ながら長文になると書いている最中に飽きるので断念。
どうやらこのころから、何かに興味を持つと、すぐさま「うけとるひと」ではなく「おくりだすひと」になりたがる習性が始まったようではあります。
中学校のころ、当時流行った電子工作やらBCL(30代以下の人は知らないでしょ?)やらラジコンカーやらにも手を出しましたが、ちょうどロックやポップスにハマる頃でもあり、ギターを持って歌い始めました。友人と一緒にフォークだかロックだか判らない怪しいバンドを始め、文化祭でステージに立ったり、コンテストなんかにも出たりしてみたんですが、その結果、どうやらボーカルの素質が無いと思うに至り、これもいったん終了しました。
何の変哲もない公立進学校に漫然と行っていた高校生のころ、電子音楽にハマってシンセサイザーをいじってみたり、自転車にちょびっとだけハマって山の上の高校までの最短タイムを出すべく連日もがいて、ぐったりした挙げ句一時間目を棒に振ったりしていましたが、このときに一番ハマったのはコンピューターのプログラミングでした。ちょうど、貧相ながらグラフィックが扱えるPCが出だしたころで、コンピューターショップに入り浸りでゲームのプログラムを書いたり、某PC雑誌のコンテストに応募したりしていました。このとき磨いた腕は、大学に入ってから勤務時間の自由がきくアルバイトとして活かされたので、数少ない短期的な実益が伴った努力でした。
将来ソニーに入ろうと思って数学も物理も嫌いなのに電子系に進んだ大学学部時代、再び音楽に振り子が振れて、友人とバンドを組みキーボーディストのまねごとをしたりしました。ご心配なく。ボーカルの素質皆無なのはすでに悟っているので、歌いませんでしたよ。その友人ってのが結構才能のあるやつでオリジナル曲を次々生み出すので、それらをひっさげてライブをやったり、コンテストやオーディション、果てはラジオの公開番組で演奏するなんて、今考えると恥ずかしいことを体験させてもらいました。でも、うまいヤツ、才能のあるヤツが掃いて捨てるほどいるんですよ、あの世界には。
同時期に、オートバイが第一番目の趣味の地位を占めるに至ったのですが、これだけは未だに趣味として続いています。修理や改造するのも、速さを追求して乗るのも、ノンビリ旅をするのも、何をしても楽しかったですね。もちろん、オートバイが夜でもいじれるように、下宿は広い玄関のあるボロ屋を選びました。このころから一番好きなことは仕事に絡めないと決めていたので、就職を考えるときもオートバイメーカーや自動車メーカーは除外しました。
さて、いよいよ大学四年生になって、進学せずに就職しようかと考えていた(実際、某楽器メーカーの入社試験も受けた)のですが、卒研を始めたとたんに研究にハマってしまいました。「こんなところに自分のやりたいことがあった!」って思ったのです。何しろ、誰も知らなかったことを明らかにしたり、誰もなし得なかったものを実現したりできるのですから。しかも、その結果を世界に向けて発信したり、みんな(といっても大抵は同業者ですが)の前で発表できるのですから、これも「おくりだすひと」です。
あわてて最低限の専門科目を勉強し直して院試を受け進学し、寝る間も削って(でも食事とデートの時間は削らずに)研究に没頭しました。修士二年間の成果は、筆頭こそ1本ですが論文3本になりました。ところが、修士二年になってなぜだか分析技術者になりたいと思い、化学系メーカーの受託分析部門に就職しました。なぜだかってのは乱暴ですね。ちゃんとあちこちの会社見学に行って、いろんな人の話を聞いた上で考えた結論です。分析屋ってのは研究開発の舞台では裏方ですが、いろんな会社の研究開発担当の人たちと面白い仕事ができる上に、最先端の分析機器を使いこなしますから、その範囲で好きな研究をしてその分野の第一人者として世間に対して発信もしやすいのです。
ただ、如何せん、そういうところに長年いて年を取ってくると、どうしても売上げ管理が仕事に占める比重が高まってきます。「かねをかぞえるひと」になってくるのです。
そこで30代半ばに方針変更した結果、現在に至るというわけです。
大学所属の研究者ってのが予想以上に「かねをあつめるひと」だったのには面くらいましたが...

ここまで書いて、頭の中であれやこれやと勝手に思うのはいかに簡単で、それを人に読んでもらえる文章にするってのがいかに難しいかを改めて実感しました。よくエッセイをあちこちに書いている学者やミュージシャンがいますが、人に読ませる、さらには金を払ってまで読もうと思ってもらえる文章を作るってのは本当特殊な才能が必要なんだと思います。そっちを仕事に選ばなくってよかった...

もしあなたが「自分は何者か」とか「将来何になりたいか」を問われて困っているなら、まずは目の前にあるあれやこれやを片っ端から一所懸命やってみて下さい。あなたが何者かは、世間が決めてくれるはずです。

MN

2010年1月27日水曜日

ESPMI-Ⅴ 開催中


今、千葉大内で、The 5th edition of the international workshop on Electronic Structure and Processes at Molecular-Based Interfaces (ESPMI-Ⅴ)という国際ワークショップが開催されています。
名前のとおり、有機材料の特に界面における電子物性をメインテーマとする国際ワークショップで、今回はこのワークショップのキーマンであった今は亡き関先生(元名古屋大学教授)に追悼を捧げる会でもあります。中村も、20代後半に有機材料を触り始めたころから関先生にはいろいろアドバイスして頂いていたので、今回チェアマンを仰せつかり光栄でした。
当研究室からも何人か参加していますが、かなりハイレベルな話が続いていますので、院生の人はつらいでしょうか?食らい付いてでも今先端で何が議論されているかを学んで欲しいと思います。

MN

いよいよ大詰め



1月も後半に入り、いよいよ修論と卒論の大詰めです。
研究室前には、毎年この時期になると咲き始める通称「卒論梅」があります。ことしも、すでに3分咲きくらいになりました。これが満開になるころに修論と卒論の発表です。
今年は、皆さんどんな花を咲かせてくれるでしょうか?

MN





追伸


夜だとこうなります。
この梅が早咲きなのは、こうやって研究室の明かりに毎夜照らされるからだと思います。ということは院生が頑張るほど早く咲く?





追伸その2



ついにウグイスまでやってきました。卒論を待たずに春の雰囲気です。
(さて、この写真にウグイスが3羽写っています。どこでしょう?)

2010年1月25日月曜日

職種別年収

このブログでも以前(2006年3月)職種別の年収の話をしたことがありました。そのときは「研究職の勧め」がテーマでした。このところの不景気で、状況がどう変化したかが気になるので、DODAの職種別平均年収のページを眺めてみました。http://doda.jp/guide/heikin/
今就職活動をしている学生の皆さんは、「転職の話かっ!?」と思うでしょうけど、この先日本の経済がどう転ぶかは誰にも予想できません。こういう時代こそ、どの会社を選ぶかも大事ですが、どの職種を選ぶかが万一転職せざるを得ない状況になったときに重要ではないでしょうか。


この図は、リンクされたページから、電気電子系の人が就きやすい職種を抜き出して、25〜29歳代、30〜34歳代、35〜39歳代の平均年収をグラフにしたものです。赤がIT系、青が電気機械系です。
肝心のどう変化したかのほうは、毎年の数字を抜き出してくるのが面倒になったので、今回省略。日本には北米輸出頼みの製造業が多いですから、残念ながらエンジニア系の職種が特に年収ダウンとなったようです。

では、あくまで年収だけを見て、どの職種が良いかというと、この中で圧倒的なのは「ITコンサルタント」と「プロジェクトマネジャー」です。これらは、明らかに狭き門ですね。東大院卒の人たちに人気の職種です。

予想どおりなのが「セールスエンジニア」で、25歳代から30歳代への伸びが大きいです。ただし、この職種は年齢が上がるとともに頭打ちになるのは昔からですね。若くて馬力があるうちに稼ぐ職種ということでしょう。

では、もう少しありふれた職種ではどうかというと....ほ〜ら期待どおり、「研究開発」がトップグループにいます。似たような位置には、「プロセスエンジニア」と「組み込み・制御設計」がいますね。
以前ブログに書いたように大手企業に生息数の多い職種は平均年収が高くなりがちですが、それ込みで職種ごとの平均ですからね。

今回はお金の話でしたが、就職においては何より「やりたい仕事か?」が重要です。
就活中の学生の皆さんが、やりたい仕事(職種)に就けることを祈ります。

MN

2010年1月14日木曜日

卒研関係スケジュール

卒研関係の締切をここに掲示しておきます。

卒研題目締切り:1月29日  (17:00までに4年担任に通知)
卒論提出:   2月15日  (学科会議室にて12:00-12:30の間受付)
卒研発表会:  2月17日

<卒研生が手続き上やるべきこと>
(1) 1月28日までに(学籍番号)(氏名)(卒研題目)を全員分まとめて酒井先生に報告する。

(2) 卒研提出時に就学ポートフォリオを持参し、確認を受ける。

(3) 発表会当日までにA4、1ページの予稿を作成する。書式は昨年と同じ。

(4) 作成した予稿を必要部数印刷しておき、発表会当日に聴講者に配布する。

(5) 予稿をpdfファイル化し、まとめて酒井先生に提出する。締め切りは2月24日。

2010年1月11日月曜日

日本一



1月のある日、東京に出かけて千葉に戻る途中の電車で、車窓を何気なく眺めると富士山がくっきり!
夕焼けをバックに見えるのはなかなか貴重なので、G-COEフロアなどがある工学系総合研究棟の最上階に登り、写真を撮ってきました。
ちょっと雲がかかっていますが、丹沢山系の向こうに富士山のシルエットがくっきり見えていますね。
今年は新年早々縁起が良いかも?

MN

2009年12月2日水曜日

2009 MRS in Boston


[火曜日]
毎年恒例、MRS Fall Meeting に参加しています。
今回は少々寂しく、当研究室からは中村と松原君のみです。
今回、出発の直前に携帯電話を最新モデルに替えたので、それで写真をいくつか撮りました。
右の写真は、Hynes convention centerのエントランスの一つで、おそらくこのミーティング最大の看板があるところです。ここで昼休みや午後のセッション修了後にうろちょろしていると、国内外の知り合いに出会います。
今日は、これから私の師匠と晩飯に出かけます。メインはロブスターかな?

MRSは応物学会などとは異なり、Chairの意向次第で毎回柔軟にセッション(シンポジウムという名称)が組み変わります。しかも、アメリカの科学技術予算は日本よりジャンルの流行り廃りが早いので、MRSにどんなセッションがあるかを見るだけでも、今アメリカでどんな分野に資金が出ているのかがよくわかります。
今回、当研究室に比較的関連がありそうなところでは、以下のシンポジウムがあります。
C: Large-Area Processing and Patterning for Optical, Photovoltaic, and Electronic Devices II
D: Organic Materials for Printable Thin-Film Electronic Devices
E: Advanced Materials for Half-Metallic and Organic Spintronics
H: ZnO and Related MaterialsI: III-Nitride Materials for Sensing, Energy Conversion, and Controlled Light-Matter Interactions
L: Large-Area Electronics from Carbon Nanotubes, Graphene, and Related Noncarbon Nanostructures
Q: Photovoltaic Materials and Manufacturing Issues IIR: Advanced Nanostructured Solar Cells
S: Organic Materials and Devices for Sustainable Energy Systems
Z: Energy Harvesting--From Fundamentals to Devices
OO: Dynamic Scanning Probes--Imaging, Characterization, and Manipulation


[木曜日]

随時報告すると言いながら、全く更新出来ませんでした。
というのも、火曜から風邪気味ではあったのですが、水曜についに熱が出てふらふらになり、ホテルの部屋で寝込んでしまったのです。
右は、倒れる直前にMRS Fall Meeting 常連日本人なら誰でも知っているという、怪しいラーメン屋に知り合いの人たちと行ったときの写真です。
おかげで、水曜夜の松原君の発表は見られず、写真もありません。
木曜朝になって、熱は少し引いてきたようですが、まだふらふらだったので、初めてアメリカで医者にかかるという経験をしました。風邪だかインフルだか判らないけど、直前にうちの子供も発症しているということでインフルの診断を頂き、リクエストでリレンザの処方をもらって近くの Walgreens へ薬をもらいに行きました。当然アメリカで有効な医療保険はありませんから、カード払いで計$400ほどの出費です。後で保険請求しなきゃ。
Cohen先生、朝早くから40分もの診療ありがとうございました。さすがに、黒沢映画について語れる世代ではなかったです、せっかく話題を振って頂いたのに申し訳ありません。

なんとか木曜昼までホテルで寝て過ごし、午後から自分の「有機薄膜のゼーベック係数評価」について発表のために会場へ。
幸い、倒れるまでに発表のスライドは一通り用意してあったのですが、いつもなら前日に話すことを整理しながら、発表時間に収まるように削っていく作業が出来ませんでした。おかげでトータル15分のところ発表だけで13分くらいになってしまったでしょうか?
座長の染谷先生は少々やきもきされていた模様。それでも、さらに5分くらい3件の質疑応答の時間を許して頂けました。
発表後も複数の人たちから声を掛けられ、皆さん言うには「うちでも試したんだかが、ゼーベック係数がうまく計れなかった」と。これ、AFMポテンショメトリのときと同じ反応です。AFMポテンショメトリも名だたる研究室何カ所もでチャレンジされたのは知っていますが、みなさんうまくいきませんでした。探針系も含めた入力容量の最小化をさぼっているからです。今回の有機ゼーベック測定もそう。2電極の温度と電極間電圧を同時に計るには、有機膜のような極めて高抵抗な試料の場合、2組計4本のワイヤーのうち少なくとも3つが超高インピーダンスで接続されていないといけません。でも、ケミストの方々はおろかフィジシストの人たちまで、電気計測をなめているからうまく行かないんですね。「☆アンプ」の勝利です。やっぱり、これ売り物にしましょうか? → 星くん

[金曜日]

金曜は、ボストンを後にして、ミネアポリスへ。C.D. Frisbie先生の研究室訪問です。前々から一度立ち寄りたいと思っていたのですが、今回うまくスケジュールが合わせられました。
とはいえ、体調はまだ十分回復していないので、訪問は短時間にしましたが、前々からFrisbie先生とディスカッションしていた件について、実際に担当しているPh.Dの学生さんたちと直接ディスカッションできて身のある訪問でした。

MN

2009年11月19日木曜日

おめでとうございます!

酒井先生のお子さんが18日に無事生まれました。
第一報は電子メールで見たのですが、有効数字3桁の出生時体重が書かれていました。
うちの子のときは有効数字2桁にまるめて憶えていたのですが、日頃の実験における精密さの違いでしょうか...
ともあれ、おめでとうございます!

MN

2009年11月1日日曜日

景気のいい話?

読売オンラインより

トヨタ自動車は、今春入社した大卒事務系・技術系の新入社員約900人を来年1月から約3か月間、工場に配置し、車の組み立て作業などにあたらせる。
(中略)
新入社員は工場や販売店での研修を終え、10月に本社や研究所などの各部署に配属されたばかり。再配置先は、プリウスを生産する堤工場(愛知県豊田市)など主力車種生産工場が中心になる見込みだ。


はぁ、これぞ製造業の判断ですね。

T君、会社の利益のために頑張って下さい!

MN

2009年10月30日金曜日

薄膜材料デバイス研究会第6回研究集会開催のお知らせ

いよいよ、薄膜材料デバイス研究会が来週月、火に開催されます。
今年は過去最大の発表件数となり、興味深い講演も数多くあります。
また、チュートリアルでは、「初心に返る」を目標に、この分野のニューカマーの人からベテランまで満足できる内容を用意しています。
研究室の学生の皆さんで発表を予定していない人も、是非参加して下さい。
テキスト「薄膜トランジスタ」の割引販売もあります。

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毎年秋に開催されている薄膜材料デバイス研究会の研究集会(詳細は下記)ですが、今年は11月2日、3日に京都で開催されます。
今回、中村が実行委員長を務めます。当研究室の学生の皆さんも、どんどん投稿して下さい。
特に学生の人たちにとっては、日頃聞けない話が聞ける勉強になる会議であるとともに、バンケット等で出される飲食費より支払う参加費のほうが安いというお得な会議です。
アブストラクト投稿締切は9月18日(金)です。投稿は、研究会ウェブページから。

以下、紹介文。

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本研究会は、シリコンTFT関連をコアとして、酸化物半導体から有機半導体までを含む、薄膜半導体デバイス関連のテーマを一望できる貴重な研究会であり、毎年1回200名近い参加者を集めて研究集会を開催致しています。
研究会の詳細については、ホームページをご参照ください。
http://www.tfmd.jp/

研究集会のトピックは、半導体薄膜を用いるデバイス全てです。
有機半導体デバイスの研究者にとっては、はるかに先行した歴史を持つポリシリコンやアモルファスシリコンの研究者、および、一部アプリケーションでライバルとなる酸化物半導体の研究者ともディスカッションができる点で貴重な機会かと思います。皆様のご投稿ご参加をお待ちしております。

             記

薄膜材料デバイス研究会 第6回研究集会「如何に作り如何に測るか」

日程: 2009年11月2日(月)から11月3日(火)
場所: 龍谷大学大宮学舎 清和館(http://www.ryukoku.ac.jp/omiya.html)
主催:薄膜材料デバイス研究会組織委員会
協賛(予定を含む):応用物理学会、電子情報通信学会、日本真空協会、電気学会、日本物理学会、応用物理学会有機分子・バイオエレクトロニクス分科会、応用物理学会プラズマエレクトロニクス分科会、AM-FPD、IDW
※研究会ホームぺージに投稿の案内があります。
※最大4ページまで掲載されますので、研究をひとまとめするのに適しているかと思います。
参加費(事前申し込み):一般10,000円、学生4,000円(バンケット代込)

ランプセッション特別講演  2日夜
水野博之先生
(広島県産業科学技術研究所所長、大阪電気通信大学副理事長)
「イノベーションと若き技術者たち」

招待講演・レビュー講演(敬称略)
石原良一(デルフト工科大学)
染谷隆夫(東京大学)

チュートリアルプログラム(敬称略)  2日午前
薄膜デバイスの基礎、作製技術、評価技術
木村 睦(龍谷大学)「TFTの基礎:テキスト『薄膜トランジスタ』より」
鮫島俊之(東京農工大学)「フリーキャリア吸収による半導体薄膜評価」

FPDインターナショナルから

今回は、パシフィコ横浜で現在開催されているFPD International 2009の紹介記事から、気になったものを並べます。

湾曲可能な有機ELパネル,Samsung Mobile Displayが披露

15型有機ELパネルを製品化するLG Display社,「2012年には40型を市場投入する

AUOの14型フルHD有機ELパネル,ユーザーの要望があれば対応したい

LG Display,腕に巻く4.3型有機ELディスプレイを出

米UDCが演色性を高めた照明向け白色有機ELを開発,併設セミナーから

真空装置をロール・ツー・ロールにインライン化する“差圧”機構

ロール状に巻いた厚さ100μmのガラス,長さはフィルム基板による製造設備に対応しやすい400mを実現

「技術的には量産可能」,TMDが3.2型のWVGA有機ELパネルを出展

酸化物半導体;Si系材料に対する挑戦者

う〜ん。上から5つは海外企業の発表です。
ニッポン頑張れ!

MN

2009年10月25日日曜日

東アジア共同体

最近のニュースでは、近いうちに中国のGDPが日本を抜いて世界第2位になりそうだとのこと。
一方、鳩山首相は東アジア共同体構造を打ち上げようとしています。
そこで、東アジア共同体ができたとして、その経済規模はどの程度になるのか、ざっと見てみました。

ワールドバンク発表の2008年GDP
では(単位はbillion US dollar)
 EU 18,283
 USA 14,204
となっています。

では、東アジア3国
 日本 4,909
 中国 3,860
(香港 215)
 韓国 929
を足してみると、まだ9,913 billion$。これでは足りないので、ASEANとオセアニア2国
 ASEAN 861
 オーストラリア 1,015
 ニュージーランド 130
を足して、ようやく11,919になります。中国の伸びがこのまま続くと、あと10年もすればUSA一国は超えられそうですね。世界の対等な3極と言ってもおかしくない程度の経済圏にはなりそうです。
でも、EUと比べていろいろな面で統一感が無いのが難しいところですね~。

MN

2009年10月8日木曜日

SSDM2009


台風が襲撃する中、SSDM2009のために仙台に来ています。
今日は、午前中に酒井先生と星君のポスター講演(左の写真)、午後には工藤先生の講演がありました。

とりあえず、諸々の用事で疲れているので、今回はこれだけご報告します。

MN

2009年10月6日火曜日

Knipp先生来訪



ドイツ、Jacobs UniversityのProf. Dietmar KnippをG-COEゲストとしてお呼びしました。
Knipp先生は、アメリカXerox社でのポスドク時代から有機FETを精力的に研究しており、ヨーロッパでは珍しく電気工学的立場から有機トランジスタの基礎的なところまで研究している方です。

写真は、10月5日午後に行われたG-COEコロキウムの様子です。
院生も参加するセミナーだとお伝えしておきましたので、FETの基礎からとても丁寧に話してくれました。M1や四年生の人たちにも勉強になったのではないでしょうか。
当初90分の予定が休憩をはさんで合計2時間以上の熱演でした。

個人的には、彼の酸素によるキャリアドーピング効果の研究が気に入って、というか、気になっています。今後、共同研究として何かやれたらいいと思っています。


コロキウムの他、いくつかの研究室のラボツアーやディスカッションなど、充実した2日間でした。

Thanks, Prof. Knipp!

MN

2009年10月3日土曜日

CEATEC関連(3)

従来の1/100,わずか10ccのRb原子発振器をエプソントヨコムが開発
原子時計と言えば、精度の極めて高い時計の代名詞で、たいそうなシステムが必要という認識でした。ここまで小型化が進んでいたとは、まったく知りませんでした。
これで「原子アラームクロック」くらいはできそうですね。いずれは「原子腕時計」でしょうか?
他にも、エプソントヨコムの電子部品やセンサー類はスゴイものが多いので、今回一押しのブースです。

村田製作所
CEATECと言えば村田製作所を忘れてはいけません。
今回、ムラタセイコちゃんがさらに進化したと聞いています。今回はどんなデモを見せてくれるのでしょうか。

パナソニック電工,直流で電力供給を可能にする次世代配電システムを展示
最近、直流給電が話題に出ることが多くなってきました。確かに、PCやテレビをはじめとして、身の回りにはAC100Vを供給しておきながら、内部的にはDCしか使っていない機器ばかりになってきています。さらに、LEDや有機EL照明が普及し始めたら、ますます家庭内のあちこちでAC100VをDCに変換することになります。それなら、配電盤のところで高効率な装置でまとめてAC-DC変換をやってしまい、DCしか必要の無い機器にはDCで給電しましょうということです。そのほうが効率も機器のコストも安くなるでしょう。
これ、大学の実験室でこそ早く実現して欲しいと願っています。我々の実験では微弱電流を測ることが多いのですが、そのような測定では電磁ノイズや漏洩磁場によるノイズが大敵です。以前なら蛍光灯とブラウン管が悪役コンビだったのですが、最近ではいろいろな機器の電源で使われてるインバーターからのノイズがかなり気になります。さらに、壁や床を這っているAC100Vラインからの磁場ノイズも測定によっては問題になります。DC給電にすると、これらがかなり減るはずです。

MN

2009年9月29日火曜日

CEATEC関連(2)

CEATEC関連のニュースのから、興味を持ったものを紹介していきます。

QDレーザらが量子ドット・レーザを利用した緑色レーザを開発,2010年秋の量産目指す
意外と言えば意外ですが、AlGaAs/GaAs系の赤色とInGaN/GaN系の青色との狭間で、緑色レーザーは今まで小型・安価・高性能なものが得られていないようです。緑色レーザーでは、通常近赤外レーザー光からSHGを利用して高調波としての緑色光を発生させますが、この発表では、励起レーザーに量子ドットレーザを用いていることが特徴です。
これで、三原色そろった小型レーザーを使ったモバイルプロジェクターの普及が加速するのでしょうか。

日本写真印刷らが色素増感型太陽電池を開発,2010年サンプル出荷へ
色素増感太陽電池は低コストかつ比較的変換効率の高いことが特徴ですが、耐久性に難があります。この発表では、印刷技術を利用して実用的な耐久性を得たそうです。有機材料を用いた太陽電池では色素増感型が一歩先を走っていますが、そろそろ実際に製品として使われ始めるでしょうか。

MN

2009年9月24日木曜日

当研究室の学生必読本

院生のP君と話をしていて、我々の研究室での必須知識について講義してほしいとリクエストされました。
まあ、そういうのもなかなか難しくって、よほどまとまった時間を取らないかぎり極簡単な話にしかならないし、また、人によって必須知識だと思うものも違うので、講義としてやるのはお互いコストパフォーマンスがよくありません。
我々の研究分野においていくつか必読の教科書があるので、それを手元に置いて、興味と自分のレベルに応じて何度も読むというのが一番だと思います。もちろん、わからないところとか疑問に思ったところは、いつでも質問に来てくれれば喜んで答えます。

そう思って学生の部屋を探し回ってみたのですが、どうやら、以前から研究室の学生の皆さんに「これだけは必読」と言っていた本が今では伝わっていないようです。
そこで、ここで改めていくつか挙げておきます。

まずは、絶対外せないこれ!
・木下 是雄 (著) 理科系の作文技術
理工系の大学生の必読本です。少々古くなっている感もありますが、今でも原理原則はまったく変わっていません。
四年生の人!卒研に取りかかる前に必読ですよ。

あとは、今いくつか思いついたものを挙げます。
・堀越 源一 (著) 真空技術 (物理工学実験)
当研究室のほとんどのテーマで大なり小なり真空を使います。
以前なら、この手の本を輪読したのですが、最近おろそかになってしまっています。ぜひ手元において、真空引きの待ち時間に人類の英知の一つである真空技術を学んで下さい。
(他にも類似の本はいくつかあります)

・Simon M. Sze (著) Physics of Semiconductor Devices
忘れてはいけない、半導体デバイスのバイブルです。論文のリファレンスでもよく見かけますね。半導体デバイスに関わる研究者、技術者のバイブルです。読んだことがない人はもぐりです。

・薄膜材料デバイス研究会 (編集) 薄膜トランジスタ
ちゃっかり宣伝もしておきます。
半導体物性およびデバイスについての学部レベルの教科書は、皆さん必ず持っているでしょう。しかし、薄膜トランジスタ特有の物理や作成プロセスなどについては、まとまった教科書は少ないのです。これはその貴重な一冊です。TFTに関わる人は必読です。

・上羽 牧夫 (編集) 結晶成長のしくみを探る―その物理的基礎 (シリーズ 結晶成長のダイナミクス)
当研究室でも、様々な形で結晶成長に関わる現象を扱うはずです。この手の本に一度目を通しておいて、「なぜこうなるんだろう?」と思ったときに学びながら現象の理解と説明ができるようになって下さい。

今日はここまで。
教科書というのは、手元にあるのと図書館で借りるのとでは大違いです。「積ん読」も実は価値があって、机に積んであれば、必要なときに時間のロス無く紙媒体を自分の記憶の延長として使えるのです。
買いそろえると高いですが、これらのリンク先を見てもわかるように、最近はネットで簡単に古本が買えます。ぜひ、自分の本として購入して下さい。

MN

2009年9月19日土曜日

CEATEC関連(1)

今後しばらく、CEATEC関連で気になった報道を紹介していきます。

最初はこれ。
学生のための「仕事研究サポートイベント」

私が学生の皆さんにCEATEC見学を勧めているのも、世の中の技術動向を知るだけでなく、自分が将来やる仕事についてイメージを確立してほしいからです。
このイベントなんて、まさに最適です。
研究室の院生の皆さんも、完全予約制とのことですので、早めに予約して是非参加して下さい。

以下、内容を転載。

1stステージ
「IT・エレクトロニクス業界セミナー」
先輩エンジニア達が語る、ここでしか聞けない業界研究セミナー
講 師:京セラ(株)、パナソニック(株)、(株)日立製作所、横河電機(株)他
時 間:11:00~13:00(受付開始10:30)
場 所:国際会議場2階「201」
定 員:150名


2ndステージ
「企業ブース訪問」
CEATEC JAPANを自由に見学。最新技術を体感しよう。
時 間:13:00~16:30
※人事担当参加ブースでの対応時間です。通常のブース見学は、イベント開催中は自由です。
場 所:各展示ホール
※人事担当参加の企業ブースに訪問するとシールを渡します。シールの枚数で素敵な賞品をプレゼント


MN

2009年9月14日月曜日

CEATEC2009

今年もCEATECの時期が近づいてきました。
エレクトロニクスの今と近い将来の姿を知る良い機会ですから、研究室の皆さんも是非見に行って下さい。特に就活を控えたM1の人たちは、「どの会社でどんな仕事をやってみたいか」を考えながら、積極的に質問などを行うと良いでしょう。

3年生でここを見ている人はあまりいないと思いますが、後期の「電子デバイス」では、CEATEC見学レポートを義務づけています。
今の内に入場登録を済ませておいて下さい。
全体を真剣に見ると丸一日かかります。時間割と相談して、なるべくまとまった時間参加できる日を選んで、幕張まで行ってきて下さい。

MN

09秋の応物学会

毎回恒例、当研究室関連の応物学会講演リストをまとめます。
参加する学生の皆さんは、ぜひ沢山の講演を聴いて新知識を吸収して下さいね。

※予稿集ページ番号等を編集しました。

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浦部裕亮,多田喜宏,酒井正俊,中村雅一,工藤一浩:
"TTF-TCNQワイヤの電界配向成長その場観察III",
第70回応用物理学会学術講演会(富山), p.1130 (2009.9.9) 9a-ZA-1.

中村雅一:
"自発的高次構造形成法による縦型有機『パワー』トランジスタ",
"新しいパイ電子系材料と高性能新型トランジスタ"シンポジウム,
第70回応用物理学会学術講演会(富山), p.60 (2009.9.9) 9p-K-6.

工藤一浩:
"新材料と新型素子への期待",
"新しいパイ電子系材料と高性能新型トランジスタ"シンポジウム,
第70回応用物理学会学術講演会(富山), p.63 (2009.9.9) 9p-K-11.

中山直樹,松原亮介,酒井正俊,工藤一浩,中村雅一:
"グラフォエピタキシーによるペンタセン薄膜の面内配向制御とそのキャリア移動度への影響"
第70回応用物理学会学術講演会(富山), p.1241 (2009.9.10) 10a-K-20.

高野智輝,前田悠,山内博,飯塚正明,中村雅一,工藤一浩:
"RFIDタグ用段差型有機トランジスタの基礎特性",
第70回応用物理学会学術講演会(富山), p.1245 (2009.9.11) 11a-K-2.

高原知樹、伊藤裕哉、石黒雅人、酒井正俊、中村雅一、工藤一浩:
"(BEDT-TTF)(TCNQ)配向結晶FETのチャネル領域におけるキャリア伝導"
第70回応用物理学会学術講演会(富山), p.1247 (2009.9.11) 11a-K-8.

2009年9月8日火曜日

応用物理学会フェロー表彰


現在、秋の応物学会開催中です。
本日、工藤先生が応用物理学会フェロー表彰を受賞されました。
これは、学術・研究における先駆的な業績、産業技術の開発・育成における重要な業績、教育・公益活動を通した人材育成や教育における業績などにより、応用物理学の発展に顕著な貢献をした者を表彰するものです。
工藤先生の受賞理由は「新規有機トランジスタの研究と有機エレクトロニクス分野の開拓」です。
おめでとうございます!

MN

2009年9月1日火曜日

理科ナビ

東京理科大がこんなサイトを作っています。
http://rikanavi.tus.ac.jp/

つい興味をそそられたので、私自身もやってみました。

結果は...

思考・行動ベースでのオススメ学科は基礎工学部材料工学科、興味・関心ベースだと一番関連が強いのが理学部応用物理学科でした。
これらの学科の他に、「学び方」で適合性が高いのが生物工学科、電子応用工学科など、「興味」の適合性が高いのが物理学科、化学科などでした。
まあ、今選ぶなら、さもありなんです。
いや、今に限らず、昔から興味と適合が食い違っていることは自覚しています。学際領域をやるには、そのほうが良いかと思います。

すでに千葉大電気電子系に入学してしまった皆さんも、自分の本当の姿を知るきっかけとして、ぜひやってみて下さい。

MN

2009年8月6日木曜日

仕事に役立つ?

当研究室のOBに、「大学や研究室で学んだことで仕事で役立っていることは何か?」というアンケートを採ってみようと思ったことがありました。結局は、連絡が取れる人数が少なく(連絡先不明になっている人が結構多い)、研究室単位ではあまり意味のある数がとれないだろうということで諦めたのですが、その後こんな記事を見つけました。

Tech-On!読者1000人に聞きました 第2回:新人の時に苦労したこと
「学生時代の研究や勉強は,今の仕事でどのように生きていますか」


記事の様子からは、回答がバラバラだったことが伺えますが、それらの回答を大まかに(1)基礎的な知識、(2)論理的な思考、(3)問題解決へのアプローチ、(4)研究や調査の仕方、(5)直接的なスキル、(6)人脈、の6つに分類しています。
このうち、回答が多いらしい(1)〜(4)について、現役院生の皆さん向けに考えてみます。

(1)基礎的な知識
数学や物理、化学、材料力学、機械力学、電磁気学、電気回路学など、大学の一般教養課程あるいは高校で学ぶ知識を挙げる回答が多く見られました
とのこと。これは、もっともだと思います。理学でも工学でも、専門知識が先に進めば進むほどそれを使う場面が限られてきます。そういう意味でも、基礎科目について十分理解し、いざというときに使いこなせることが大卒技術者の最大の強みだと思います。ここの学科でも、数学、電磁気学、回路理論はみっちり仕込まれている「はず」です。(この点については、院試をやる意義が大きいですね。)また、研究室での研究を進める中でも、それら基礎知識を復習したり応用力をつけたりする機会があるはずです。
この裏返しとして、
一方、「学生時代の研究などを通して学んだ専門知識が直接役立っている」という回答はほとんど見受けられませんでした。
ということも書いてあります。これも当然。先ほど述べたように、理学的な専門知識については、高度になるほどちょっと分野がずれると使い道がないことが多いです。技術的かつ実用的な専門知識に至っては、年月が経ってその技術分野が進化してゆくと使い物にならなくなります。場合によっては、5年も経つと陳腐化します。大学院での研究活動そのもので得た「研究での実用知識」は、その道で研究を続ける少数の「研究エリート」(ちょっと皮肉がこもってます)以外の人にとって、直接お役にたつことは少ないでしょう。でも、後述しますが、研究活動は決して無意味ではありません。

(2)論理的な思考
(3)問題解決へのアプローチ
(4)研究や調査の仕方
まとめて論じますが、これらこそ研究室で身につけて欲しいことです。何をやれば鍛えられるかは想像つきますでしょうか?
これらに教科書はありません。まったく無いわけではありませんが、やはりこれらはstudyの対象ではなく、learningあるいはtrainingによって身につけるものだと思います。この、learningあるいはtrainingという姿勢が年々薄れてきているように思えることが心配です。
実験系の研究の大まかな流れは次のようになると思います。(細部は異なりますが、この大まかな流れは企業で研究する場合も同じですね。)
(a)何を研究すべきか、テーマの大筋を考える。
(b)どのようにそれを実現するかのプランニングを行う。
(c)研究を遂行するための予算(場合によってはメンバー)を獲得する。
(d)今どのような実験を行うべきか必死に考える。
(e)それを確実に行う方法を考え、必要であれば実験装置を構築あるいは改良する。
(f)細心の注意と全てのノウハウをつぎ込み、実験を行う。
(g)出た結果について死ぬほど一所懸命に考える。
(h)新事実が確かであることを確認するまで、あるいは、技術的な進歩が一段落するまで(d)〜(g)を繰り返す。
(i)得られた結果をまとめ、他の研究者を納得させられる状態にして学会や論文などで発表する。
(j)一定の目的を達するまで(a)〜(i)を適宜繰り返す。

修士院生の人たちは(a)〜(c)は要求されませんが、(d)〜(i)のプロセスはぜひ2巡くらい体験して「論理的な思考、問題解決へのアプローチ、研究や調査の仕方」を会得して欲しいと考えています。しかも、どうせやるなら、これ以上無理というまで頑張った上で、一流の仕事を体験して欲しいものです。スポーツと同じで、楽をしていては個人の能力が高まりませんから。
なお、博士院生の人は、(a)~(c)のやり方も身につけるべし!

MN