2009年9月24日木曜日

当研究室の学生必読本

院生のP君と話をしていて、我々の研究室での必須知識について講義してほしいとリクエストされました。
まあ、そういうのもなかなか難しくって、よほどまとまった時間を取らないかぎり極簡単な話にしかならないし、また、人によって必須知識だと思うものも違うので、講義としてやるのはお互いコストパフォーマンスがよくありません。
我々の研究分野においていくつか必読の教科書があるので、それを手元に置いて、興味と自分のレベルに応じて何度も読むというのが一番だと思います。もちろん、わからないところとか疑問に思ったところは、いつでも質問に来てくれれば喜んで答えます。

そう思って学生の部屋を探し回ってみたのですが、どうやら、以前から研究室の学生の皆さんに「これだけは必読」と言っていた本が今では伝わっていないようです。
そこで、ここで改めていくつか挙げておきます。

まずは、絶対外せないこれ!
・木下 是雄 (著) 理科系の作文技術
理工系の大学生の必読本です。少々古くなっている感もありますが、今でも原理原則はまったく変わっていません。
四年生の人!卒研に取りかかる前に必読ですよ。

あとは、今いくつか思いついたものを挙げます。
・堀越 源一 (著) 真空技術 (物理工学実験)
当研究室のほとんどのテーマで大なり小なり真空を使います。
以前なら、この手の本を輪読したのですが、最近おろそかになってしまっています。ぜひ手元において、真空引きの待ち時間に人類の英知の一つである真空技術を学んで下さい。
(他にも類似の本はいくつかあります)

・Simon M. Sze (著) Physics of Semiconductor Devices
忘れてはいけない、半導体デバイスのバイブルです。論文のリファレンスでもよく見かけますね。半導体デバイスに関わる研究者、技術者のバイブルです。読んだことがない人はもぐりです。

・薄膜材料デバイス研究会 (編集) 薄膜トランジスタ
ちゃっかり宣伝もしておきます。
半導体物性およびデバイスについての学部レベルの教科書は、皆さん必ず持っているでしょう。しかし、薄膜トランジスタ特有の物理や作成プロセスなどについては、まとまった教科書は少ないのです。これはその貴重な一冊です。TFTに関わる人は必読です。

・上羽 牧夫 (編集) 結晶成長のしくみを探る―その物理的基礎 (シリーズ 結晶成長のダイナミクス)
当研究室でも、様々な形で結晶成長に関わる現象を扱うはずです。この手の本に一度目を通しておいて、「なぜこうなるんだろう?」と思ったときに学びながら現象の理解と説明ができるようになって下さい。

今日はここまで。
教科書というのは、手元にあるのと図書館で借りるのとでは大違いです。「積ん読」も実は価値があって、机に積んであれば、必要なときに時間のロス無く紙媒体を自分の記憶の延長として使えるのです。
買いそろえると高いですが、これらのリンク先を見てもわかるように、最近はネットで簡単に古本が買えます。ぜひ、自分の本として購入して下さい。

MN

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