2007年12月20日木曜日

Alpine Workshop on Organic FET


Alpine Workshop on Organic FET
(Co-Organizers: Prof. Batlogg, Prof. Kubozono and Prof. Takeya)
16 December - 17 December, 2007 
Braunwald, Switzerland

という濃いワークショップに出席してきました。

写真は、ワークショップ開始直後の会場の様子です。
思い出せる範囲で、誰がいたのか書き出してみます。

(以下、敬称略、日本は国名略)
今講演しているのが、C60トランジスタについて講演したFujiwara (JAIST)。
その手前の机、右からゲート絶縁膜の誘電率がキャリアにおよぼす影響について詳しく講演したMorpurgo (TU Delft, Netherlands)、 首謀者の一人であるTakeya (Osaka U)、かの有名なBattlog (ETH Zurich, Switzerland)。
中央の柱の右に見えるのがルブレン単結晶FETの報告で有名なPodzorov (Ratgers U, USA)、その左がTanigaki (Tohoku U)。
その奥の机、手前からOTFTの低動作電圧化を強力に進めているKlauk (Mac-Planck Institute Stuttgart, Germany)、最近ペンタセン単結晶で移動度40を報告(松原君が論文読んでいるはず)していたPalastra (RU Groningen, Netherlands)、日本の有機トランジスタ物性系のドンといって良いIwasa (Tohoku U)。
正面の"Tomato Soup"の袋のところから奥に向かって、首謀者の一人でBatlogg先生のところにいたことのあるKubozono (Okayama U)、スピントランジスタを精力的に研究しているShiraishi (Osaka U)、Hasegawa (AIST)、3人ほど学生を置いて、有機結晶成長と構造解析で有名なResel (TU Graz, Austria)、大気安定なn型OTFTを精力的に研究しているIchikawa (Shinsyu U)。
一番後ろの列手前から、手だけ見えているのがこれも有名なかつてのBattlog先生の仲間のKloc (Nanyang TU, Shingapore)、ご存じIshii (Chiba U)、Baoさんのところで多角的な有機フレキシブルエレクトロニクス研究を推進しているMannsfeld (Stanford U, USA)などなど。
他、写真では判別できないけれど、Tsukagoshi (RIKEN)、最近千葉大にも来たKoch (Hunboldt U, Germany)、有機トランジスタの先駆者の一人である当研究室でも有名なHorowitz (U Paris, France)、実用的な有機/金属界面について分かりやすい講演をしたKnupfer (IFW Dresden, Germany)、個人的に知り合いのZojer (TU Graz)の学生でPacher(石倉君が最近彼の論文を読んでいるはず)、千葉大準メンバー(?)のShimada (U Tokyo)、後から登場した御大Ueno (Chiba U)などが記憶にありますが、他にも残念ながら顔と名前が一致しなかった人が何人かいます。

APL、PRL、AdvMater、はたまたNature、Scienceに載っている話が2日間次々と出てくるので、おなかいっぱいになりました。
3泊2日でスキー場の宿に缶詰になったので、日頃接する機会の少ないヨーロッパの研究者たちとたくさん顔見知りになれたし、つっこんでディスカッションできたのもすごく有意義でした。

仕入れたネタについては、学生の皆さんに機会を見て紹介します。

MN

2007年12月6日木曜日

'We Don't Get Out'

今月のニューズウィークに掲載された記事のタイトルです。タイトルの意味としては、「外になんか出て行かないよ」くらいのニュアンスでしょうか。

記事に何が書いてあるかというと、「最近日本から革新的な工業製品が出ないね。ウォークマン時代は良かったのに、ソニーもiPadに押されているしね。」って話題で、ニューズウィークの記者が一橋大の教授にインタビューした内容が書かれた記事です。ニューズウィークにしては比較的英語語彙力の不要な記事ですから、詳しくはご自身で読んでみてください。
そもそも、ニンテンドーなんて、今でも世界を席巻しているし、かつて大ヒットを飛ばしていたソニーが最近当たっていないだけの話のような気もしますが、日本が本来得意であるはずの高機能携帯電話が、海外でダメダメなことも下敷きとしてあるようです。

まあ、日本人にとってはとりたてて目新しい意見も事実もない無難な記事ですが、いくつか拡大解釈して教訓にはできそうです。ちょっと拾い出してみます。

Deep knowledge in one area doesn't necessarily produce innovations one after the other. And we're talking about series of innovations, not the big hit, once. So diversity is it. If you look at things today, it's not just one technology; it's a combination of different technologies, so you have to know a lot of facts.

ふむ、いまやテクノロジーの世界では多様性こそ重要で異分野の組み合わせから新しいものが出てくる、と。これは確かにそう思います。古典的な物理や化学の枠内に縛られるとエキサイティングなテクノロジーがでてくることはほとんどなくなってきていて、複数の分野の知識を組み合わせることで面白いことができたりするのは確かだと思いますね。幅広い知識と、何を組み合わせると面白いかを考える力が必要なんだと思います。

We do have some great entrepreneurs. A lot of them are from Kyoto. They went to the world market and grabbed a big share simply because no one in Tokyo bought from them. So they said, "Who cares? We're going to go out." It's similar to the situation with countries like Finland, where the domestic market is too small. India has lots of micromultinationals in information technology, and they go straight to the world market. That thinking is missing here. It's partly because the Japanese market is big enough, and complicated enough. So to get out and talk to people who don't understand you is a bit of a headache.

よくぞ言ってくれました!
これは、まさにも前々から思っていたことです。
ちょっと拡大解釈して、講釈をたれてみます。

西日本で生まれ育って西日本で教育を受けたとして、世界に出たときに東京(あるいは関東)の人が国内で目立っているほどには目立たないなと前々から感じていました。まさに、この方が言っているように、東京ってのがなまじでかいために、なんか東京以外見ていないんですね。外国に出ても、「ふん、オレは日本で十分まにあっているぜ。」って雰囲気を漂わせて、プライドを保ちつつ他国に馴染もうとしないっていうか。ここでいう東京ってのは、地理的な意味での東京ではなくって、日本の行政や企業文化などの中心って意味です。

ところが、関西や中部など他の地域(幕末の薩長や土佐もそう?)は日本でもまだましで、「東京も外国も一緒やさかい、東京相手にするより、はなからもっとでかい世界をあいてにしまひょ」って意識がある人が多かったんだと思います。そういえば、かつてソニーを躍進させた創業者故森田さんも中部生まれで大阪で高等教育を受けた人でしたね。トヨタも未だに本拠地は愛知です。任天堂は京都、ノーベル賞受賞者を現役社員から唯一出した島津も京都ですね。ちなみに江崎玲於奈さんも、ソニー(当時は「東京」通信工業)在籍中の仕事が受賞の元ですが、実は大阪人です。

企業でも、東京(つまり利権団体や日本国の行政)べったりのところは、安定こそしていますが、世界から見て全然存在感ありません。千葉大生のみなさんも例に漏れず東京志向が強いですが、世界に羽ばたきたいと思うなら、東京を無視しましょう。

みんな、東京にとじこもるな!!

MN

2007年12月1日土曜日

Princeton Discussions on Organic....


今日は、ボストンからプリンストンに移動して、プリンストン大のKahn先生の主催でミニワークショップに参加しました。
講演者は、以下のとおり。
Ueno (Chiba Univ, Japan), Tautz (Research Center Julich, Germany), Nakamura (Chiba Univ, Japan), Kudo (Chiba Univ, Japan), Kronik (Weizmann Institute of Science, Israel), Kanai (Nagoya Univ, Japan), Rosenwaks (Tel Aviv Univ, Israel), Kowalsky (Technical University of Braunschweig, Germany), Chan (Princeton Univ, USA), Cahen (Weizmann Institute of Science, Israel), Vuilaume (Institute for Electronics Microelectronics and Nanotechnologies, France), Selloni (Princeton Univ, USA), Schwartz (Princeton Univ, USA)
<<敬称略>>
Kahn先生が集めただけ合って、なかなか中身の濃い会議でした。

院生の皆さんには、新たな情報や課題、国際共同研究など持ち帰りますから、楽しみにしておいてください。

MN

2007年11月27日火曜日

MRS in Boston


ただいまMRSに参加中。
毎年Fall Meetingはボストンですから、さすがに会場周辺はアウェイというよりホームです。
工藤先生、渡邊さん、中村の発表も初日に終了しました。

国際会議に参加するたびに思うのですが、研究者コミュニティに存在を知ってもらうには、やはりいい仕事をした上で、しょっちゅうこういうところでPRしないとダメですね。そこそこ知名度の論文誌で論文を出した程度では、顔は売れません。
あと、実際に世界中の研究者をオフで話しあうのは、講演を聴くのと同程度か、あるいはより効果的だと思います。

今回は残念ながら学生が一人も来ていませんが、次回はぜひ参加してください。もちろん、ドクターコースだけでなくマスターコースの人も是非!

MN

2007年11月5日月曜日

この場を借りて業務連絡

他大学から来春当研究室のM1配属予定で合格した方々へ

この掲示板を見ていたら、来年度の研究計画を立てるため、また、いろいろな連絡を送るために、入学の意志の有無と連絡用メールアドレスを中村までお知らせ下さい。
nakamura@faculty.chiba-u.jp

今年度中に来年度M1のテーマを決めてしまいますので、いきなりでとまどわないように、今のうちから各種研究発表会などの連絡を送ります。
また、テーマ決めの招集も連絡します。

2007年11月1日木曜日

応物「有機トランジスター」セッション機関別発表件数

応物学会も無事終わり、研究室からの参加者もおそらく全員無事帰って来れたようです。皆さんお疲れ様でした。
会期中の暇つぶしとして、久しぶりに「有機トランジスター」セッションでの機関別発表件数をまとめてみました。
基本的に、第一著者のパーマネントな所属をカウントしています。

阪大 12
東工大 8
千葉大 6
産総研 6
九工大 6
東大 6
東北大 4
信州大 4
愛知工業大 4
和歌山大 3
筑波大 3
理研 2
富山大 2
山形大 2
広島大 2
NHK 2
ソニー 2
京都大 2
物材機構 2
日大 2
(以下すべて1件づつ)
九大、名大、埼玉大、奈良先端大、大阪府大、北陸先端大、大阪産技研信越化学、三洋電機、日産化学工業、大日本印刷、出光中研、豊田中央研究所、シャープ、セイコーエプソン、凸版印刷

阪大と東工大は工学系の研究者数が多いので、それを追っている千葉大は大健闘ですね。

MN

2007年10月29日月曜日

IQってあまり意味ないけど

ウェブを泳いでいて妙な記事を見つけてしまいました。トリビアの一つとしてお裾分けしますね。
元ネタもアメリカの話のようですが、学問分野ごとの平均IQ(正確には何か似たテストをIQに換算したみたいです)を並べてあります。


130.0 Physics
129.0 Mathematics
128.5 Computer Science
128.0 Economics
127.5 Chemical engineering
127.0 Material science
126.0 Electrical engineering
125.5 Mechanical engineering
125.0 Philosophy
124.0 Chemistry
123.0 Earth sciences
122.0 Industrial engineering
122.0 Civil engineering
121.5 Biology
120.1 English/literature
120.0 Religion/theology
119.8 Political science
119.7 History
118.0 Art history
117.7 Anthropology/archeology
116.5 Architecture
116.0 Business
115.0 Sociology
114.0 Psychology
114.0 Medicine
112.0 Communication
109.0 Education
106.0 Public administration


まあ、だからどうしたって記事ですが、我らが分野である材料科学と電気工学が比較的上のほうに並んでいてよかったです。
ちなみに、IQの高さと社会での成功はまったく相関ないそうです。

オレはどんなもん?って気になった人、本格的なテストは面倒なので、お遊びに
これでもやってください。
MNを超えた人には、粗品を出しますので、ご一報を。
(ここでお互いスコア曝したくないですから、研究室内限定で直接教えてください。)

MN

2007年10月4日木曜日

CEATEC行ってきました


今日夕方しか時間がとれなかったので、午後の会議終了後幕張にかけつけました。

ソニーの有機ELテレビ、感動的でしたね。ずらっと並んでいるところを見て、涙がでそうでした。苦節ウン十年(オーバーではありません。実際最初の研究報告から約20年経っています)、ついに市販されるのですから。
あ、MNが苦労したわけではありません。

画質的には5年くらい前に見たサンヨーのパネルと同じくらいの印象でしたが、やっぱ液晶と比べると感動具合が違います。夜景とか、きらきらしたモノとかが美しいのと、やはり細かい模様のあるモノや景色がパンしたときの解像度がイイです。これが画像の広がり感とか、空気まで伝えるのです。
もっとも、相変わらずソニーっぽいハデな色具合になっていました。MNはこのハデハデも好きですが。

もうひとつ感動したのが、ムラタセイサクくん。
去年までのように脚光を浴びるわけでもなく、ムラタのブースの奥の方でひっそりと不倒停止していました。声をかけると振り向いたりします。 けなげですね。

MN

2007年10月1日月曜日

ついに有機ELテレビ発売日決定!


ソニーが予告していた11インチの世界初有機ELテレビの発売日と価格がついに発表されましたね。
12月1日発売で、価格は20万円だそうです。

これを安いと見るか高いと見るかは人それぞれでしょうけど、全く新しい技術を使った新世代の製品の第一号機としては安いんじゃないでしょうか。
今時のノートパソコンより小さい画面なので、一般家庭では、よほどの初物好きでないかぎり20万も出して買わないでしょうけど、お店やショールームなどでは結構売れると思います。それでどんどん生産技術がこなれていって、2010年くらいには32インチくらいのやつが定価30万円を切ってくれたらいいんですけど。(アナログ放送終了直前にの家のテレビを買い換えようと思っているので...)

ちなみに、1960年に東芝から発売された国産初のカラーテレビは、17インチで42万円だったそうです。大学卒初任給は当時12,190円だったそうですから、大卒新人が長期ローン組んでも買えない値段ですね。それを思うとエレクトロニクス製品は安くなったもんだ。

おそらくCEATECでも展示されるでしょうから、皆さん是非現物を見てきてください!

MN

2007年9月15日土曜日

夏合宿


昨日と今日は恒例の研究室夏合宿でした。
みなさん、お疲れ様でした。
これも恒例、バレーボールでの工藤先生の勇姿も拝むことができましたね。
例年、これが終わるといよいよ四年生の卒業研究が本番です。今年はなかなかの意気込みを聞かせてもらいましたので、期待してます!

2007年9月11日火曜日

07秋の応物発表

秋の応物の当研究室関連の発表予定が集まりましたのでお知らせします。
<<予稿集ページを追加しました。>>

○竹之内優介、松原亮介、中村雅一、酒井正俊、工藤一浩:
"高次構造有機SITのための半導体材料の検討"、第68回応用物理学会学術講演会(札幌), p.1335 (2007.9.4) 4a-D-15

○渡邊康之,家地洋之,工藤一浩:
"ペンタセン有機SITを用いたフレキシブル論理素子"、第68回応用物理学会学術講演会(札幌), p.1335 (2007.9.4) 4a-D-16

○斉藤 聡伸 , 宮田 晴哉 , 酒井 正俊 , 飯塚 正明 , 中村 雅一 , 工藤 一浩:
"自己配線構造を有する有機ナノFETの作製と導電率分布測定", 第68回応用物理学会学術講演会(札幌), p.1350 (2007.9.5) 5p-D-19

○酒井正俊、長尾高成、森田修介、中村雅一、工藤一浩:
"ゾーン精製法による有機半導体の精製と溶融法によるFET作製", 第68回応用物理学会学術講演会(札幌), p.1352 (2007.9.6) 6a-D-8

○中村雅一:
(シンポジウム)"有機TFTにおけるキャリア輸送:TFTのバイタルサインである動作時電位分布", 第68回応用物理学会学術講演会(札幌), p.94 (2007.9.6) 6p-D-9

○工藤一浩:
(シンポジウム)"イントロダクトリートーク:有機薄膜トランジスタ開発の現状と新展開", 第68回応用物理学会学術講演会(札幌), p.112 (2007.9.7) 7p-ZR-1

○大橋昇,冨井 弘,工藤 一浩,中村 雅一:
"多結晶ペンタセンTFTの薄膜形態が表面電位分布に及ぼす影響", 第68回応用物理学会学術講演会(札幌), p.1250 (2007.9.8) 8p-B-5

○伊藤裕哉、酒井正俊、斉藤聡伸、佐久間広貴、中村雅一、工藤一浩:
"(BEDT-TTF)(TCNQ)結晶を用いたambipolar FETにおける電子/正孔電流の温度依存性", 第68回応用物理学会学術講演会(札幌), p.1362 (2007.9.8) 8p-D-6

2007年9月7日金曜日

応物北海道の陣(台風付き)


今、応用物理学会のために札幌に出陣中です。
研究室関連の大部分の発表が終わったので、今夜はサッポロビール園で打ち上げパーティーでした。
やっぱり、サッポロで食べるジンギスカンとビールはうまい!

あとは、大橋君と伊藤君の発表を残すのみ。ガンバッテください。

MN

2007年8月23日木曜日

薄膜材料デバイス研究会第4回研究集会開催のお知らせ


投稿締切が8/31まで延びましたのでお知らせします。

今年も、秋に「薄膜材料デバイス研究会」の研究集会が開催されます。
有機トランジスタの研究者にとっては、薄膜トランジスタとしてはるかに先行した歴史を持つポリシリコンやアモルファスシリコンの研究者、および、一部アプリケーションでライバルとなる酸化物半導体の研究者ともディスカッションができる点で貴重な機会かと思います。
学生の参加費(立派なバンケット込み!)が安いのもアピールポイントです。
当研究室の院生の皆さんも、ぜひ参加して下さい!

日時:2007年11月2日(金)、3日(土)
場所:京都(龍谷大学大宮学舎) - 重要文化財がキャンパス内にあります
テーマ:「明日の電子デバイスを支える薄膜新材料」
投稿締切:8月31日(電子メール投稿)
参加費:10月9日まで一般\10,000、学生\4,000
 以降は、一般\12,000、学生\5,000
招待講演:
・廣瀬全孝(次世代半導体研究センター) 
 『アモルファス半導体研究-激動の1975-1980年』(仮題)
・宮尾正信(九州大学)
 『シリコン系ヘテロ超構造技術の創出と未来型デバイスの夢(二流研究者の独白
 @企業と大学の狭間で生きて)』(仮題)
・川崎雅司(東北大学) 『酸化物エレクトロニクス』(仮題)
・安達千波矢(九州大学) 『有機発光性薄膜デバイスの新展開』(仮題)

初日午前に、院生を想定したチュートリアルコースも準備しています。
今年は、『酸化物半導体、有機物半導体の徹底理解!』と題して内藤裕義先生(大阪府大)および古田守先生(高知工科大)に、電気電子系の大学院生から理解できる内容をご講義いただきます。

研究会の詳細については、ホームページをご覧ください。

2007年8月19日日曜日

水道哲学

工藤先生も一時期籍を置いていたことのある松下電器産業の創業者(というより教祖?)、松下幸之助さんの有名な逸話です。
松下「伝記」産業と称されるくらい、松下幸之助さんについての伝記は数多く出ているのですが、長命だった幸之助さんも1989年に亡くなられており、今の大学生世代にはすでになじみが薄くなっているかと思いますので、簡単に紹介します。
松下の本来の創業は1918年だそうですが、1932年に創業記念式典なるものを開き、そこで社員に説かれたそうです。

「水道の水は、通行人がこれをいくら飲んでも咎められることはない。それは、量が多く、価格があまりにも安いからだ。松下の使命もここにある。水道の水のごとく、物質を豊富に、かつ廉価に生産提供しなければならない。その結果、貧乏を克服し、人々に幸福をもたらすことができる。」


「人間の世界には、電気冷蔵庫も医療も、水のように必要なものがある。それがもしただに等しいような値段やったら、この世から貧乏というものがなくなる。」

昭和初期のまだ多くの日本人が貧乏だった時代の話ですが、世界的視野では今でもそのまま通用するのではないでしょうか。なにも技術は高付加価値の商品を高く売るためだけに使うものではない、革新的技術によって革新的な低価格で生活に必要なものが作れるようになれば、世界中で広く使ってもらえ大勢を幸せにできる。大量に売れれば会社も幸せになり、従業員も幸せになる、ということですね。

今思うに、有機エレクトロニクスにもこの考えが有効なのではないでしょうか。
革新的に低コストで新たなエレクトロニクスが創出されるのであれば、それは至るところで水道の水のように使われるようになるのではないかと。
幸之助さんなら、どのような商売を思い描いたでしょうね。

MN

2007年8月17日金曜日

リニューアル後の研究室ウェブページへのアクセス

5月に研究室のウェブサーバーを移転して以来のアクセス統計を見てみました。
まず、現時点での総アクセス数は400件。あまり多くはないですが、一研究室のものとしてはこんなもんでしょうか。
ちなみにMN個人の趣味のページ(内緒)のほうが10倍以上アクセス数があります。

アクセス元のドメイン別では、

? 251 (62.75%)
jp 142 (35.5%)
com 2 (0.5%)
cn 1 (0.25%)
de 1 (0.25%)
il 1 (0.25%)
net 1 (0.25%)
au 1 (0.25%)

となっています。?には国内外の企業や研究機関などが沢山含まれているようですが、そこまで解析させていません。海外からのアクセスもちょろちょろありますね。

ブラウザ表示言語もなかなか多彩です。

日本語/日本 (ja-jp) 322 (80.5%)
日本語 (ja) 53 (13.25%)
中国語/中国 (zh-cn) 6 (1.5%)
英語/米国 (en-us) 6 (1.5%)
韓国語 (ko) 4 (1%)
? (-) 3 (0.75%)
ヘブライ語 (he) 2 (0.5%)
英語 (en) 1 (0.25%)
英語/オーストラリア (en-au) 1 (0.25%)
ドイツ語/ドイツ (de-de) 1 (0.25%)
中国語/台湾 (zh-tw) 1 (0.25%)


ブラウザ別では...

Safari 313 (78.25%)
InternetExplorer 78 (19.5%)
Firefox 5 (1.25%)
Opera 2 (0.5%)
不明 1 (0.25%)
NetscapeNavigator 1 (0.25%)

Safariだらけやんか!!
当研究室にMacが増殖中なので、研究室内からのアクセスが大半を占めているのでしょう。(^^;
でも、ブラウザやOSのバージョンを見るかぎり、研究室外のマックユーザーによるアクセスも含まれているようです。

検索サイトから飛んできたアクセスは、やはり各国のGoogleが一番多いようです。

MN

2007年7月18日水曜日

底力宣言!


今日のお昼休みに、学生や職員を集めて学長が底力宣言というものを表明されました。(詳しくはリンク先をご覧下さい。)
こういうアジテーションぽいことはも大好きですので、ここはいっちょ乗せられてみましょう!

底力宣言!1 挑戦する心を育む環境づくり
うん、やっぱり「高い志」を持つことは大事ですよね。
当研究室でもみんなで力を合わせて世界の先頭を目指しましょう! ライバルは世界です。

底力宣言!2 「異花受粉」促進による,本物の知恵づくりへ挑戦
「異花受粉」とは、植物が違う個体の花粉で受精することです。
有機エレクトロニクスはまさに境界領域ですから、化学や物性物理など隣接他分野の人たちとの共同作業になることも多いです。教員間だけでなく、学生同士でも異分野交流を積極的に行いましょう。そのような環境にするために教員もお手伝いします。

底力宣言!3 地域,国際社会への貢献を通じ,千葉大学らしさを
「家族が,企業や学校が抱える問題に向き合い,一緒に問題を解決する。そんな大学を目指していきます。」だそうです。
我々も工学部にいるのですから、論文にすることだけを目的にするのではなく、企業が抱える問題を解決するような研究も大事です。学生の皆さんは是非そういう仕事にも関わって、問題意識を養ってください。

MN

2007年7月2日月曜日

ストレス


最近、世の中全体に世知辛くなって、ストレスから鬱や心身症になる人が増えているそうです。
今日の朝日新聞夕刊を見ていたら、「職場のストレス」って記事が載っていました。なかなかポイントを突いた記事だったので、ちょっと紹介します。
まず、「質的・量的負担は小さく、やりがいが低く、裁量が少ない」と感じて仕事をする場合と、「質的・量的負担は大きく、やりがいや裁量がある」と感じて仕事する場合とどちらがストレスが大きいと思いますか?
・・・・・筑波大の社会医学の先生によると、前者のほうがストレスは大きいそうです。みなさん思ったとおりでした?
やりがいと裁量の自由度があるかないかが、ストレスを感じるかどうかに大きく影響するそうです。昔から言われているように、同じ仕事なら「いやいや」やるより「面白い」と考えてやることが大事なんですね。

あと、「支援」もストレスを減らす要因だそうです。高度成長期の「モーレツサラリーマン」(死語なので...知っていますか?)が元気だったのは、社会や自分の生活を向上させるんだというやりがいがあり、みんなで助け合い励まし合いながら一団となって働いていたからこそなんでしょうね。最近、日本の社会に、あるいは、会社などにも一体感が無くなってきているのが問題です。行き過ぎた格差社会・競争社会はトータルで見て弊害が大きいです。
全然、うつくしい国じゃ無くなってますよね、最近。

(図は本文とはそれほど関係ありません。)
MN

2007年6月23日土曜日

サイエンスマップ


文部科学省科学技術政策研究所がまとめた「サイエンスマップ」によると、物理学や材料科学の分野では日本の研究は世界をリードしているそうです。
反対に弱いのは環境/生態学&地球科学、計算機科学&数学だそうな。数学なんて強そうな気がするんですけどね。意外なことに、「工学」もいまいちです。(これについては、「工学」に相当するジャンルでは論文が日本語で書かれてることが多いのが一因と言われています。)
ちなみに、当研究室の論文は、多くが物理学か材料科学に分類される雑誌から出ています。日本では、電子工学科で半導体やナノテクが盛んに研究されていますが、世界的にみるとジャンルとしては電子工学ではなく物理学か材料科学ですね。

MN

2007年6月3日日曜日

産総研訪問


MNと院生O君とで、産総研の光技術研究部門・分子薄膜グループを訪問してきました。
MNも現産総研の敷地内で3年ほど働いていたことがありますので、つくばに来るといろいろ懐かしいのですが、独立行政法人になってから人事も研究体制も本当にいろいろ変わっているみたいですね。
O君も、分野的に近いながらも毛色の違う研究室を見て、また、ポスドクが何人もがんばっているのを見て刺激になったことと思います。
MNも、雑談の中で、いくつか認識を新たにしたことや、自分の研究の参考になったことがいくつもありました。
産総研の皆さん、お世話になりました!どうもありがとうございます。

2007年5月29日火曜日

ソニーの有機ELテレビ


SID2007で、ソニーが大型ELパネルの製法について発表したそうです。
特に注目すべきは、そのRGBパターニング法です。
「Laser Induced Pattern wise Sublimation(LIPS)」と名付けられたレーザ転写法を使っているそうです。
(余談ですが、wiseで正しいのかな?スペースなしでPatternwiseのような気が...)
これは、低分子の発光材料をガラス基板に成膜した「ドナー基板」を目的とする基板に合わせ、ドナー基板裏面からレーザーを選択照射することで部分的に材料を昇華・蒸着させる方法です。
これまでにも、似たような研究例はあるのですが、大面積の生産ラインでできるようになったんですね。
有機エレクトロニクス業界では、ウェットプロセスが過大評価されているとMNは考えています。ドライプロセスのメリットは沢山あり、しかも決して大面積低コストに向かないってことはないと思います。
蒸着でできることは蒸着で!

MN

2007年5月27日日曜日

ウェブサーバー引っ越し

先週金曜日から、研究室独自のウェブサーバーが稼働し始めました。
新しいURLは http://mole.te.chiba-u.jp/ ですので、日頃ここしか見ていない人もブックマークしておいてください。

これまでは、学科のサーバーに乗っかっていたのですが、いろいろな事情を考慮して独自にたてることにしました。
使っているマシンは、もちろん拾ってきたものです。
やはり資源は有効に使わないと!

MN

2007年5月17日木曜日

今年の国際会議 2007

今年開催される当研究室に関係の深い国際会議をリストアップします。
時々情報が更新されますので、ご注意下さい。
PD、ドクター学生だけでなく、マスターの人も是非発表を申し込んで参加しましょう!
もちろん発表する人には旅費の補助が出ます。

2007 The Fourteenth International Workshop on Active-Matrix Flatpanel Displays and Devices (AM-FPD 07)
2007/7/11-13 淡路島, Japan
アブストラクト締切:3/16<<終了>>
レートニュース締切:5/18
レジストレーション締切:
プロシーディング締切:? (JJAP)

The 2007 European Conference on Molecular Electronics (ECME-2007)
2007/9/5-8 Metz, France
アブストラクト締切:4/20 <<終了>>
レジストレーション締切:7/1

2007 International Conference on Solid State Devices and Materials (SSDM 2007)
2007/9/18-21 つくば, Japan
アブストラクト締切:5/10 <<終了>>
レートニュース締切:7/30
レジストレーション締切:6月以降

2007 MRS Fall Meeting
2007/11/26-30 Boston, USA
※特に関連が深いのはSymposium F: Interfaces in Organic and Molecular Electronics III
アブストラクト締切:6/20

9th International Conference on Atomically Controlled Surfaces, Interfaces and Nanostructures (ACSIN-9)
2007/11/11-15 東京, Japan
アブストラクト締切:6/30
レジストレーション締切:9/15

International Symposium on Surface Science and Nanotechnology (ISSS-5)
2007/11/9-13 Tokyo, Japan
アブストラクト締切:6/30
レジストレーション締切:10/9
プロシーディング締切:10/9 (e-J. Surf. Sci. Nanotech.)

Korea-Japan Joint Forum 2007 -Organic Materials for Electronics and Photonics-
2007/9/27-29 Seoul, Korea
アブストラクト締切:7/27

2007年4月28日土曜日

More is different!

"More is different."

アンダーソン局在で有名なフィリップ・ウォレン・アンダーソン大先生の1972年の論文[1]のタイトルとして有名な言葉です。
直訳すると、「多は異なり」となりますが、もう少し解りやすく訳するなら「量が増えると予想外のことが起きる」といったところでしょうか。自然現象を還元主義的にとらえた原理からは予想できないような現象が、要素が多数集まった集団でより高次な現象として起こることを指して、様々な科学のジャンルで今でも頻繁に使われる言葉です。材料の物性やその応用を研究する人ならしみじみと実感できるのではないでしょうか。

我々の研究に限っても、例えば電荷移動錯体のワイヤーが特定条件の下で電気力線の方向に成長すること、有機半導体結晶を凹凸のある基板に乗せるとキャリアドーピングが起こることなど、現象を発見してからメカニズムを想像することはできても、知る以前から現象を予想することは困難な現象というのはたくさんあります。
だからモノに関わる研究は面白いんですよね。
院生のみなさんも、新しい more is different を見つけてみませんか?

これ以外にも物性に関連する有名な言葉として、が好きなものをいくつか挙げておきます。

"God made solids, but surfaces were the work of the Devil." by Wolfgang Ernst Pauli
バルク物性の研究に比べると表面は混沌としてなかなか理解できなかったんです。同じことは半導体デバイスを作るときにも言えて、半導体デバイスは表面あるいは界面の理解と制御(場合によっては回避)によって成立しています。

"There's plenty of room at the bottom" by Richard Feynman
「原子スケールで物質を見たり直接操作すれば興味深いことがたくさんできるよ」ってことを、なんと1959年に講演したそうです。STM屋さんや単一分子エレクトロニクス屋さんが好んで使います。

MN

[1] P.W. Anderson, Science 177, 393-396, 1972.

2007年4月16日月曜日

新卒研生配属!

いよいよ、配属する卒研生が決定したようです。
みんな、1年間、張り切っていきましょう!! 

◎ここを見ている新4年生の人へ
16日の月曜には担当テーマも決めます。まずは、もう一度テーマ説明を行いますので、10時集合に遅れないでください。
なお、いきなりですが、当日夜に新歓コンパです。ぜひ参加してください。

◎たまたま見たOBの人へ
OBの乱入大歓迎です。場所はM2に聞くか、この掲示板を直前にチェックしてください。

→ 笑笑で午後7時開始だそうです。

MN

2007年4月11日水曜日

日本の研究機関ランキング

「トムソンサイエンティフィック」が、1996年から2006年までの11年間にわたる日本の各研究機関の被論文引用数ランキングを公表したそうです。(サイエンスポータルの記事より)
これは、この期間にそれぞれの機関から出された論文が合計何回引用されたかでランク付けされているそうです。上位10機関のリストは...

1(13)東京大学、2(30)京都大学、3(34)大阪大学、4(70)東北大学、5(99)名古屋大学、6(110)科学技術振興機構、7(119)九州大学、8(140)北海道大学、9(159)理化学研究所、10(163)東京工業大学、11(190)産業技術総合研究所、12(217)筑波大学、13(276)広島大学、14(287)自然科学研究機構、15(293)慶応義塾大学、16(295)千葉大学、17(338)神戸大学、18(349)岡山大学、19(369)熊本大学、20(370)東京医科歯科大学
( )内は、世界のランク。

千葉大、なんとか入っていますね。
もっとも、これは合計数ですから研究者数が多く論文を大量生産する機関が有利です。東大は研究者数が群を抜いていますからね。
そこで、サイエンスポータルには、同編集部が論文1件あたりの平均引用数でまとめなおしたランキングも出ています。

1(15.32)科学技術振興機構、2(13.67)理化学研究所、3(12.65)自然科学研究機構、4(12.51)東京医科歯科大学、5(12.41)東京大学、6(12.28)大阪大学、7(11.91)京都大学、8(11.85)熊本大学、9(10.28)名古屋大学、10(9.85)千葉大学…以下略。
()内は平均引用数

おっと、今度は千葉大がトップ10に入っています。
でも、これもコメント付きで、論文数も引用数も多くなりがちな「医学・生物系」の論文が多い機関が上位になりやすいそうです。千葉大も、医学部ががんばっていますから...

とりあえず、我々も平均被引用数10を目標にがんばりますか!

MN

2007年3月30日金曜日

春の応物発表

※発表リスト向けに予稿集ページを追加しました。

春の応物の当研究室関連の発表予定が集まりましたのでお知らせします。
タイミングの問題もあるのでしょうけど、残念なことに今回は発表が少ないです。
秋に期待します。

○石倉健一, 中村雅一, 工藤一浩:
"有機半導体薄膜の電気伝導に及ぼす基板表面化学構造の影響", 第54回応用物理学関係連合講演会(神奈川), p.1306 (2007.3.27) 27p-SK-12.

○大橋 昇, 冨井 弘, 松原亮介, 中村雅一, 酒井正俊, 工藤一浩:
"ペンタセンTFTのチャネル内に生じる電位ドロップの評価", 第54回応用物理学関係連合講演会(神奈川), p.1419 (2007.3.29) 29a-W-7

○工藤一浩, 酒井正俊:
"分子幾何制御に基づく新機能有機デバイス", 第54回応用物理学関係連合講演会(神奈川)-シンポジウム, p.107 (2007.3.29) 29p-V-9.

冨井弘, ○中村雅一, 酒井 正俊, 工藤一浩:
"ペンタセンTFTにおける結晶粒界部キャリア輸送障壁のAFMポテンショメトリに
よる評価", 第54回応用物理学関係連合講演会(神奈川), p.1421 (2007.3.30) 30a-W-2

○中村健二, 秦 拓也, 小幡勝也, 遠藤浩幸, 吉澤淳志, 工藤一浩:
"MIS型OLETのOn/Off比の改善とアクティブマトリクスの試作", 第54回応用物理学関係連合講演会(神奈川), p.1426 (2007.3.30) 30p-W-6

2007年3月26日月曜日

大学院修了式


今日は大学院の修了式でした。
朝まで天気がすぐれなかったのですが、ぐんぐん雲が切れて気持ちの良い一日になりました。工藤研でも今年の修士は頑張った人が多かったから、神様からのご褒美でしょうか。毎年感じることですが、特に研究室を良い方向に引っ張っていたメンバーたちが巣立っていくのは、正直な話、惜しくもありますね。でも、学生にとっては社会に出てからが本当の勝負ですから、彼らの将来に幸多からんことを祈りましょう。後につづく新M2、新M1も、先輩たちに追いつき、追い越すくらいのつもりでやれば、今よりずっと成長できると思いますよ。

MS07

2007年3月23日金曜日

ご卒業おめでとう


本日は千葉大学の卒業式でした。大学としての卒業式は千葉ポートアリーナで行われ、その後、卒業証書授与式が各学部学科で行われます。掲載した写真は電子機械工学科の卒業証書授与式の様子です。工学部の第一会議室をいっぱいに埋め尽くすほどの卒業生が元気に卒業していきました。今年は特に、卒業証書授与式の欠席者も少なく、規律、連帯感の高さがうかがえました。天気もよくて、文句なしに良い一日だったと思います。これから大学院に進学する人も、一足早く社会に出て行く人も、みんなご卒業おめでとう!

MS07

電子情報産業の世界生産額、4分の1が日本メーカー


日経BPネットの記事より....
電子情報技術産業協会(JEITA)は,電子情報産業の世界生産額について調査結果をまとめた。これによれば,2005年実績は184兆円で,うち44兆円が日系企業の生産額(海外での生産分も含む)だという。2006年は,世界生産額196兆円のうち46兆円を日系企業が占める見込みだ。
世界生産額に占める日系企業の割合が大きいのは,AV機器と電子部品。2006年の見込み額をみると,AV機器で特に日系企業の生産シェアが高いのはデジタル・カメラやビデオ・カメラなどの「撮像機器」で,86%となっている。カーナビや車載テレビなどの「カーAVC機器」に占めるシェアも61%と高い。

日本メーカーがんばっていますね。
寂しいのは、携帯電話機のシェア16%です。どこぞの産官連合が日本独自企画を突っ走ってきたことが敗因なのでしょうか....
これから、世界の携帯市場も高機能化が進みますから、日本の得意分野にできるのではないでしょうか。ヨーロッパや韓国企業を追撃してほしいところです。

あと、図の円グラフは日系企業の電子情報産業の生産額ですが、実は「電子部品」が一番額が多いのですね。「ディスプレイデバイス」や「半導体」も電子部品ですから、これも入れると1/3は部品です。こういう部品や素材が強い国は落ち目になりにくいはずですね。

MN

2007年3月1日木曜日

フレキシブルOTFTによるアクティブマトリックス電子ペーパーのためのデモ


当研究室研究生の宮下君が卒研時代からの課題であったフレキシブルOTFTによる電気泳動型表示素子(いわゆる電子ペーパー)のスイッチングデモを行いました。
その様子はこちらのムービーでご覧下さい。
特徴としては、
・フィルム基板を使っていること
・印刷とラフなマスク蒸着だけで作製されていること
・ソース/ドレイン電極は銀ペイントを直接描画によって印刷パターン化したこと
です。
まだ改良の余地はありますが、画素数少なめの電子ペーパーなら使えそうですね。

宮下君、東工大でも堅実さを活かしてがんばってください!
MN

2007年2月19日月曜日

ついに巻物型電子ペーパー


記事を書くタイミングが遅くなりましたが、2/15のTechOnに、Polymer Vision社の巻物型電子ペーパーの記事が掲載されていました。

実はPDA大好きなとしては、製品としてもぜひ使ってみたいものです。
それはさておき、注目すべきは、この巻物電子ペーパーには有機トランジスタが使われていることです!
技術的詳細は公表されていないようですが、同社のことですから、おそらくポリマーFETが使われていることでしょう。2007年度末に発売を予定しているそうで、有機ELに続いて、ついに有機トランジスタも市販製品に搭載が始まることになります!

もう一つ注目すべきなのは、このPolymer Visionって会社です。元々、オランダのRoyal Philips Electronics社の社内ベンチャーだった部門が独立した会社です。
このグループは2003年ごろから(トランジスタだけならもっと前から?)有機トランジスタを使ったアクティブマトリックス表示素子を精力的に研究しています。こんな会社が日本にも出てきてほしいですね。

MN

2007年2月14日水曜日

卒業研究プレゼンテーションアワード受賞者決定!


毎年恒例の卒業研究プレゼンテーションアワードの受賞者が決定しました
受賞者には、今夕の飲み会にて賞状と賞品が贈られました。
今年の賞品はデジタルオーディオプレーヤーで、例年よりもちょっと豪華です。ポイントは有機ELディスプレー付きという点で、この点は有機電子デバイスの研究室としては賞品選定にあたって譲れない点でした。
アワード候補の開票結果は、研究室のメンバーには既にメールで速報されていると思いますが、スタッフによる投票の時点では票が分散し、決め手に欠ける結果でした。スタッフ投票でこれほど票が分散したことはこれまでに無かったのではないでしょうか。一部では「該当者なし」との囁きも聴かれましたが、結局、大学院生の票が決め手となり、受賞者決定となりました。おめでとうございます。
次点候補、その他の学生もなかなか良かったと思います。今年の4年生は全員大学院に進学予定ですが、2年後の修士論文発表ではもっと上達できるよう、今後も努力を惜しまないようにしていきましょう。

MS07

2007年2月13日火曜日

卒研発表終了!

修士の発表に続き、本日卒論発表も終了しました!
修士の皆さんは2年間、四年生の皆さんは1年間、お疲れ様でした。

まだ、宿題が残っている人もいると思います。また、修論や卒論の完成版とともに、実験や担当の引き継ぎも残っていると思います。
骨休めは十分していただいて結構ですが、羽が生えたまま研究室に現れないということのないようにお願いしますね。

MN

MSさんへ、写真追加して頂けませんか?

2007年1月23日火曜日

「電子デバイス」試験

電子デバイス受講生の方へ

下記のように電子デバイスの試験を行います。

 記
日時:2007年2月5日(月) 2限(10:3012:00)
 ※講義とは曜日も時限も異なりますのでご注意下さい。
場所:
 04T030104T0402 →17-213
 04T040604T0465、04T以外 →17-214
 ※割り当てられた部屋を間違えないように
範囲:1/23の講義で指定した範囲
その他:教科書、ノートなどの持ち込みは不可
(毎年、カンニングペーパー使用未遂で数人を警告しています。ご注意下さい。)

中村雅一

2007年1月9日火曜日

OLEDテレビの時代が来るか!


2007 International CESで、ソニーが27型と11型の有機ELテレビを参考出展するそうな。

「技術的には耐用年数も含めてほぼメドが付いたので出展した。特に11型は,すぐに量産に取りかかれそうなくらいになった」

やっぱり、あと2、3年テレビを買い換えるのは待とうかな。

MN