2009年12月2日水曜日

2009 MRS in Boston


[火曜日]
毎年恒例、MRS Fall Meeting に参加しています。
今回は少々寂しく、当研究室からは中村と松原君のみです。
今回、出発の直前に携帯電話を最新モデルに替えたので、それで写真をいくつか撮りました。
右の写真は、Hynes convention centerのエントランスの一つで、おそらくこのミーティング最大の看板があるところです。ここで昼休みや午後のセッション修了後にうろちょろしていると、国内外の知り合いに出会います。
今日は、これから私の師匠と晩飯に出かけます。メインはロブスターかな?

MRSは応物学会などとは異なり、Chairの意向次第で毎回柔軟にセッション(シンポジウムという名称)が組み変わります。しかも、アメリカの科学技術予算は日本よりジャンルの流行り廃りが早いので、MRSにどんなセッションがあるかを見るだけでも、今アメリカでどんな分野に資金が出ているのかがよくわかります。
今回、当研究室に比較的関連がありそうなところでは、以下のシンポジウムがあります。
C: Large-Area Processing and Patterning for Optical, Photovoltaic, and Electronic Devices II
D: Organic Materials for Printable Thin-Film Electronic Devices
E: Advanced Materials for Half-Metallic and Organic Spintronics
H: ZnO and Related MaterialsI: III-Nitride Materials for Sensing, Energy Conversion, and Controlled Light-Matter Interactions
L: Large-Area Electronics from Carbon Nanotubes, Graphene, and Related Noncarbon Nanostructures
Q: Photovoltaic Materials and Manufacturing Issues IIR: Advanced Nanostructured Solar Cells
S: Organic Materials and Devices for Sustainable Energy Systems
Z: Energy Harvesting--From Fundamentals to Devices
OO: Dynamic Scanning Probes--Imaging, Characterization, and Manipulation


[木曜日]

随時報告すると言いながら、全く更新出来ませんでした。
というのも、火曜から風邪気味ではあったのですが、水曜についに熱が出てふらふらになり、ホテルの部屋で寝込んでしまったのです。
右は、倒れる直前にMRS Fall Meeting 常連日本人なら誰でも知っているという、怪しいラーメン屋に知り合いの人たちと行ったときの写真です。
おかげで、水曜夜の松原君の発表は見られず、写真もありません。
木曜朝になって、熱は少し引いてきたようですが、まだふらふらだったので、初めてアメリカで医者にかかるという経験をしました。風邪だかインフルだか判らないけど、直前にうちの子供も発症しているということでインフルの診断を頂き、リクエストでリレンザの処方をもらって近くの Walgreens へ薬をもらいに行きました。当然アメリカで有効な医療保険はありませんから、カード払いで計$400ほどの出費です。後で保険請求しなきゃ。
Cohen先生、朝早くから40分もの診療ありがとうございました。さすがに、黒沢映画について語れる世代ではなかったです、せっかく話題を振って頂いたのに申し訳ありません。

なんとか木曜昼までホテルで寝て過ごし、午後から自分の「有機薄膜のゼーベック係数評価」について発表のために会場へ。
幸い、倒れるまでに発表のスライドは一通り用意してあったのですが、いつもなら前日に話すことを整理しながら、発表時間に収まるように削っていく作業が出来ませんでした。おかげでトータル15分のところ発表だけで13分くらいになってしまったでしょうか?
座長の染谷先生は少々やきもきされていた模様。それでも、さらに5分くらい3件の質疑応答の時間を許して頂けました。
発表後も複数の人たちから声を掛けられ、皆さん言うには「うちでも試したんだかが、ゼーベック係数がうまく計れなかった」と。これ、AFMポテンショメトリのときと同じ反応です。AFMポテンショメトリも名だたる研究室何カ所もでチャレンジされたのは知っていますが、みなさんうまくいきませんでした。探針系も含めた入力容量の最小化をさぼっているからです。今回の有機ゼーベック測定もそう。2電極の温度と電極間電圧を同時に計るには、有機膜のような極めて高抵抗な試料の場合、2組計4本のワイヤーのうち少なくとも3つが超高インピーダンスで接続されていないといけません。でも、ケミストの方々はおろかフィジシストの人たちまで、電気計測をなめているからうまく行かないんですね。「☆アンプ」の勝利です。やっぱり、これ売り物にしましょうか? → 星くん

[金曜日]

金曜は、ボストンを後にして、ミネアポリスへ。C.D. Frisbie先生の研究室訪問です。前々から一度立ち寄りたいと思っていたのですが、今回うまくスケジュールが合わせられました。
とはいえ、体調はまだ十分回復していないので、訪問は短時間にしましたが、前々からFrisbie先生とディスカッションしていた件について、実際に担当しているPh.Dの学生さんたちと直接ディスカッションできて身のある訪問でした。

MN

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