"More is different."
アンダーソン局在で有名なフィリップ・ウォレン・アンダーソン大先生の1972年の論文[1]のタイトルとして有名な言葉です。
直訳すると、「多は異なり」となりますが、もう少し解りやすく訳するなら「量が増えると予想外のことが起きる」といったところでしょうか。自然現象を還元主義的にとらえた原理からは予想できないような現象が、要素が多数集まった集団でより高次な現象として起こることを指して、様々な科学のジャンルで今でも頻繁に使われる言葉です。材料の物性やその応用を研究する人ならしみじみと実感できるのではないでしょうか。
我々の研究に限っても、例えば電荷移動錯体のワイヤーが特定条件の下で電気力線の方向に成長すること、有機半導体結晶を凹凸のある基板に乗せるとキャリアドーピングが起こることなど、現象を発見してからメカニズムを想像することはできても、知る以前から現象を予想することは困難な現象というのはたくさんあります。
だからモノに関わる研究は面白いんですよね。
院生のみなさんも、新しい more is different を見つけてみませんか?
これ以外にも物性に関連する有名な言葉として、が好きなものをいくつか挙げておきます。
"God made solids, but surfaces were the work of the Devil." by Wolfgang Ernst Pauli
バルク物性の研究に比べると表面は混沌としてなかなか理解できなかったんです。同じことは半導体デバイスを作るときにも言えて、半導体デバイスは表面あるいは界面の理解と制御(場合によっては回避)によって成立しています。
"There's plenty of room at the bottom" by Richard Feynman
「原子スケールで物質を見たり直接操作すれば興味深いことがたくさんできるよ」ってことを、なんと1959年に講演したそうです。STM屋さんや単一分子エレクトロニクス屋さんが好んで使います。
MN
[1] P.W. Anderson, Science 177, 393-396, 1972.
2007年4月28日土曜日
2007年4月16日月曜日
2007年4月11日水曜日
日本の研究機関ランキング
「トムソンサイエンティフィック」が、1996年から2006年までの11年間にわたる日本の各研究機関の被論文引用数ランキングを公表したそうです。(サイエンスポータルの記事より)
これは、この期間にそれぞれの機関から出された論文が合計何回引用されたかでランク付けされているそうです。上位10機関のリストは...
1(13)東京大学、2(30)京都大学、3(34)大阪大学、4(70)東北大学、5(99)名古屋大学、6(110)科学技術振興機構、7(119)九州大学、8(140)北海道大学、9(159)理化学研究所、10(163)東京工業大学、11(190)産業技術総合研究所、12(217)筑波大学、13(276)広島大学、14(287)自然科学研究機構、15(293)慶応義塾大学、16(295)千葉大学、17(338)神戸大学、18(349)岡山大学、19(369)熊本大学、20(370)東京医科歯科大学
( )内は、世界のランク。
千葉大、なんとか入っていますね。
もっとも、これは合計数ですから研究者数が多く論文を大量生産する機関が有利です。東大は研究者数が群を抜いていますからね。
そこで、サイエンスポータルには、同編集部が論文1件あたりの平均引用数でまとめなおしたランキングも出ています。
1(15.32)科学技術振興機構、2(13.67)理化学研究所、3(12.65)自然科学研究機構、4(12.51)東京医科歯科大学、5(12.41)東京大学、6(12.28)大阪大学、7(11.91)京都大学、8(11.85)熊本大学、9(10.28)名古屋大学、10(9.85)千葉大学…以下略。
()内は平均引用数
おっと、今度は千葉大がトップ10に入っています。
でも、これもコメント付きで、論文数も引用数も多くなりがちな「医学・生物系」の論文が多い機関が上位になりやすいそうです。千葉大も、医学部ががんばっていますから...
とりあえず、我々も平均被引用数10を目標にがんばりますか!
MN
これは、この期間にそれぞれの機関から出された論文が合計何回引用されたかでランク付けされているそうです。上位10機関のリストは...
1(13)東京大学、2(30)京都大学、3(34)大阪大学、4(70)東北大学、5(99)名古屋大学、6(110)科学技術振興機構、7(119)九州大学、8(140)北海道大学、9(159)理化学研究所、10(163)東京工業大学、11(190)産業技術総合研究所、12(217)筑波大学、13(276)広島大学、14(287)自然科学研究機構、15(293)慶応義塾大学、16(295)千葉大学、17(338)神戸大学、18(349)岡山大学、19(369)熊本大学、20(370)東京医科歯科大学
( )内は、世界のランク。
千葉大、なんとか入っていますね。
もっとも、これは合計数ですから研究者数が多く論文を大量生産する機関が有利です。東大は研究者数が群を抜いていますからね。
そこで、サイエンスポータルには、同編集部が論文1件あたりの平均引用数でまとめなおしたランキングも出ています。
1(15.32)科学技術振興機構、2(13.67)理化学研究所、3(12.65)自然科学研究機構、4(12.51)東京医科歯科大学、5(12.41)東京大学、6(12.28)大阪大学、7(11.91)京都大学、8(11.85)熊本大学、9(10.28)名古屋大学、10(9.85)千葉大学…以下略。
()内は平均引用数
おっと、今度は千葉大がトップ10に入っています。
でも、これもコメント付きで、論文数も引用数も多くなりがちな「医学・生物系」の論文が多い機関が上位になりやすいそうです。千葉大も、医学部ががんばっていますから...
とりあえず、我々も平均被引用数10を目標にがんばりますか!
MN
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